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2007.06.28

本日のお買い物 070628

スペースとテクニックの関係から、ヒコーキは1/72しかやらないハズだったんですが・・・。
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大好きな攻撃ヘリは、1/48ぐらいの方が迫力があっていいかと思い、こないだ基地祭で初めて一般公開されたAH-64Dアパッチ・ロングボウ。ハセガワの1/48はスティンガーのランチャーついた限定品で、現状のコブラ部隊に対応するデカールが付属していますが、どこまで代替できるか、心配です。
エデュアルドのミラージュⅢCJは彫刻とスジ彫りが奇麗な逸品。"WeekendEdition"ということで、確か1万円ぐらいしたスペシャル品からエッチングなど抜いた普及品ですが、ストレート組み派としては、これくらいでちょうどいいかと思い購入。しかしエデュアルドよ、これを”週末で”っつーのはちょっとムリがないかい?
しっかし、ストレスが溜まってんのかなあ、欲望が抑えられない(笑)。酒を飲もう。

2007.06.26

書評<恐るべき旅路>


松浦 晋也
宇宙開発の先進国に比べ制限された開発予算、縄張り争いにより軌道への投射重量が制限された打ち上げロケット・・・なにもかもが制限された中で開発され、打ち上げられ、そして失敗に終わった旧宇宙研の火星探査機<のぞみ>。その失敗の原因はどこにあったのか?計画立案から、最終的に計画が断念された経緯を関係者の証言から再構築し、日本の宇宙開発の姿勢を問うノンフィクション。

題名には少し疑問符がつくが、内容は文句なし。火星探査という大目的のために、個々人が割り当てられた役割を誇りと責任を持って全うしていくプロジェクトを見事に再現していく。少ない予算の中で頭を絞り、アクシデントがあれば粘り強く対処していく。宇宙開発は他の国では国家の威信をかけたものだが、ここ日本では科学者の夢と誇りによって成り立っているのが印象的。しかし、それゆえ<のぞみ>はギリギリの設計となり、結果的に失敗に終わったこともまた事実である。<のぞみ>の失敗から随分経つが、最近の<はやぶさ>の例を出すまでもなく、日本の宇宙開発はスリリングではあるが、安定はしていない。それは宇宙開発の宿命ではあるものの、国家あるいは一般国民に宇宙開発に対する理解があれば、もう少し違ったものになると思うのだが。

2007.06.25

F-4EJ Day3rd

本日の「たかじんのそこまで言って委員会」によると、、鈴木宗男氏の”ムネオハウス”ネタは共産党への外務省の機密文書の流出だそうである。自衛隊の内部文書流出もそうだけど、共産党ってのは公安調査庁なんかよりよっぽど優秀なスパイマスターなのかも知れない。

そんなことを横目に見つつ、ファントムをサンディングする。
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機首および垂直尾翼前端のアンテナはファインモールドの金属部品に交換しています。サンディングした後はスジ彫りとリベットをちくちくと再生。胴体上面とインティーク回りのリベットを打っただけで、もうヘトヘト。全面リベット打ちとかするモデラーの方をホント、尊敬します。その後、1000番のペーパーで慣らして仕上げ。
来週前半は他の人が出張やら何やらで、会社の事務所にはオレ一人。会社モデリングの誘惑にかられるが、飛び込みセールスの人に冷たい目をされそうなのでヤメておこう(笑)。

2007.06.24

F-4EJ Day2nd

今朝の小さな地震、トイレの便座に腰を下ろしていました。小さな揺れが始まったとき、このまま大地震になったらどうしようと、マジでドキドキした今日この頃。

そんなこんなでF-4EJ、ギアやパイロンなど小物全般を組み立て、塗装。
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シートはファインモールドのエッチングでシートベルト追加。シートだけリアルになるとバランスを崩すような気もするので、指定の部品全部は取り付けていません。いつものパターンなら兵装はフル装備で製作するのですが、今回はAAM-3のイナート弾のみ。この方が自衛隊機らしいかと。
その後、防衛庁広報誌<MAMOR>最新号のグラビアを見ながら、機体のウェザリングの方向について悩み中。さて、どうしましょうかね。

2007.06.23

本日のお勧めムック 070623

本日、いろいろな意味で問題提起をしているこのムックを買いに行ったのですが・・・

だけどこのムックを見つけて思い直し、こっちを買いました。

<エリア88>で”世界一の悪路踏破車両”と知って以来、常に気になるクルマだったウニモグの特集本。様々な特装を架装したウニモグ、萌えます。
宝くじで3億円当たったら、冬の通勤用にブラバス・チューンのウニモグを買おう、と決意させるガイドブックです。

2007.06.20

押井守監督の新作、正式発表

押井守監督が、次回作として森博嗣の小説「スカイ・クロラ」を映画化すると20日、東京都内で開いた会見で発表した。
某所からの情報通り、2008年の新作が決定した。原作を読む限りは、カントクにピッタリの原作だと感じたのだが、脚本が本人でないのは意外。というか、そんな今どきの脚本家で大丈夫なんだろうか。不安です。
とりあえず、公式HPが激重いのだけは改善してくれ。
映画「スカイ・クロラ」公式HP

書評<ナ・バ・テア><ダウン・ツ・ヘヴン>

ナ・バ・テア
ダウン・ツ・ヘヴン
森 博嗣
キルドレと呼ばれる永遠の子供であり、凄腕のファイターパイロットであるクサナギ。転属した彼女は、同じく凄腕だが大人のパイロットと出会う。

押井守カントクの次回作の原作といわれる「スカイ・クロラ」の続編。時系列でいうと「ナ・バ・テア」「ダウン・ツ・ヘヴン」が「スカイ・クロラ」の前段になる、らしい。主人公の心象風景と、あくまで詩的な空戦風景で物語は進んでいく。永遠の子供として、記憶を操作されながらもなお生き残る”気持ち”と、自分が子供であり普通の大人とは違うと分かっているはずなのに抑えられない気持ち。それでもなお、空を飛べなけれな生きていけないパイロットとしての気持ち。本来、自分はこういう心象風景的な小説は苦手なのだが、なぜか続きが読みたいのは、著者のウデなのだろう。

押井カントクの「次は恋愛映画」との発言と「スカイ・クロラ」はいまいち結びつかなかったのだが、続編を読んでようやく納得。無理やり分類すれば「悲恋」で、いかにも押井カントク好み。感情と風景描写の組み合わせの妙を期待しましょう。

初版<ナ・バ・テア>      2005/11
  <ダウン・ツ・ヘヴン>   2006/11 中央公論社/中公文庫

2007.06.19

書評<謎の未確認動物UMA>

謎の未確認動物UMA―既存のUMAに対する概念が変わる科学的解説
佐久間 誠
似たようなムックが各出版社からいっぱい出ているが、本書は一味違うので紹介。基本的には同名サイトを書籍化したもので、生物学者の著者があくまでも「UMAはいる!」との前提で、生物学的観点からその存在を分析し、従来の諸説を検証していく。
HPをそのまま書籍化した感じなので写真の配置などいい加減でイマイチ読みづらいし、著者の文章もスマートとは言い難い。だが書いている内容はあくまで科学的でありながら、なぜかUMAの存在を知ったときのワクワク感が残されているのだ。
マスコミに対するチクリとした批判もまた、味わいがある。科学と地球の謎のはざまにある”何か”の存在に、肯定も否定もしない、”眼が開いた”人はぜひどうぞ。

初版2007/04 桃園書房/大型ムック

2007.06.18

書評<「世界征服」は可能か?>

「世界征服」は可能か?
岡田 斗司夫
一昔前の特撮ヒーローものの”悪の組織”の目的は”世界征服”だった。その曖昧模糊とした目的は、現実的に可能なのか?レインボーマンはじめとした事例をひき、その手法、自分がどのようなボスの類型に属するのかなどユーモアを交えながら解説、最後には”征服者”と”支配”の矛盾を引き出していく。

はじめはクスクスとした笑いをとりながら、自由主義経済とネットが発達した現代社会における革命とは何かという結論に着地させる著者の文章は相変わらずおもしろい。

個人的には、副島 隆彦氏をはじめとした陰謀論支持者に読んでもらいたい。本当に世界を”支配”し、コントロールすることで利益は生じるのか?ひたすら大衆社会への道を突っ走ってきた近代に、果たして”支配者”がいたのか?その答えは歴史と、著者の組み立てた論理に見てとれると思うのだが。

さらに個人的に”世界征服”がうまくいかない例として大企業トヨタの矛盾を指摘したい。トヨタは下請けを叩き、期間工を安価に雇用してコストダウンをしながら自動車を大量生産する。だが、そのことにより所得は階層化し、大量生産した”大衆車”が売れなくなっている。消費社会において、自社の経営方針が、自社の販売台数を下げる矛盾。日本経済界のトップは、この自業自得に気づいていないっぽいが。

数時間で読める新書だが、いろいろなことを考えさせられる本である。

初版2007/06 筑摩書房/筑摩新書

2007.06.17

陸自真駒内駐屯地記念行事に行ってきた

疲れ気味でシンドイが、抜けるような青空を見て外に出なければと思い直し、陸自第11師団の真駒内駐屯地基地解放に行ってきた。
今日は真駒内周辺でマラソンのため交通規制があるためか、出足は鈍め。それでも90式戦車などはあっという間に子供の遊び場に。
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第11師団は災害派遣も多く、正面装備以外の展示が魅力。
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名前は”野外炊具1号”のままだが、明らかに新車っぽい。発電機はHONDA製です。
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昨年は真っ白いままの家庭用洗濯機が積んであった”野外洗濯セット2型”だが、ミリタリー色に塗装されていた。こだわってるな。
そうこうしてる間に観閲行進と模擬戦闘。96式装輪装甲車は直前まで木陰でノンビリ。
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それでもって模擬戦闘の始まりを来賓席の真向かい、スタジアムでいうところのバックスタンド席にて待つ。
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”平成ビル”なるところで市街地戦闘が行われるとのことなので、目の前に陣取っていたのだが、よく考えると攻撃正面からはこの建物がブラインドになるわけで、逆に少々見にくかった。反省。
今年は空挺団の降下はなく、市街地でビルに立てこもったテロリストの制圧という任務開始。
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例によってヘリとバイクで偵察した後、96式装輪装甲車と軽装甲機動車で包囲。それを75式155mm自走砲と、74式戦車で援護するという、なんともリッチな作戦。負傷者の後送やタンク車による除染?と”イベント”をはさんで、突入。
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模擬のRPG持って装甲車の前に立ちふさがる敵役の隊員もいたんだけど、ありゃ空砲と分かっていても怖いんではなかろうか。
ほぼ同時にHU-1からのリペリング降下。
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テロリストグループの中に一人、パイロット用ヘルメットを被り、無線機を背負っていた人が目立っていたのだが、あの人がヘリのコントローラーだったんだろうな。コントローラーさん、一人だけ体格がメタボリック気味の上、状況終了して他の隊員がまだ静止しているのに、早くも撤収にかかったりとワガママ(笑)。

模擬訓練終了するころには人もいっぱい。帰りの駐車場にはこんな車が!
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車名はよく分からないけど、渋いモーリス。こういう車で基地祭にくるなんて、どんなお洒落な人が乗ってるんだろう。謎を残しつつ、自宅に戻ってお昼寝しました。


2007.06.16

F-4EJ Day1st

ホビーショップJのブルーノア・戦闘機およびクラッシャージョウ・ミネルバは確保すべきか否か。棚の上段をずーっと眺めていたら、首が痛くなった今日この頃。
帰ってから、ハセガワ1/72F-4EJ改に手をつける。
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空自は那覇の302SQ、戦競2006の特別塗装機。バックは今回の参考資料の自衛隊広報誌の”MAMOR”。グラビアには自衛隊の制服着たアイドルにアパッチ・ロングボウ、302SQの活動報告に窪塚洋介のインタビューと、近年稀に見るまとまりのなさがステキな雑誌です。
それでもって胴体と主翼など組み立て。
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パーツ番号見ずに作れる唯一のプラモデルなので、主要パーツ切り離して、合わせだけは慎重に接着していきます。
ついこないだまでは瞬間接着剤使いまくりのモデリングでしたが、最近は合わせのため”ずらす”時間を考慮して、フツーの接着剤主体のモデリングに変化。接着剤の使い方すら、まだまだ修行中。

2007.06.13

最近買ったムック 070613

ザ・コクピット―航空機操縦席図鑑

なんで男ってのはコクピットが好きなんだろうね。これも価格が高いのにパッと見ただけで買ってしまった。
最新軍用機からエアライナー、ヘリコプターまで今飛んでいる航空機のコクピットのカラー写真があらかた掲載されている。
あれだね、最新鋭戦闘機や旅客機がCRT中心になるのはともかく、軽飛行機まで大型CRT2面とかになってるのね。時代はあらゆるところで進んでいる。

ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス
ブログブームも一段落したせいか、最近は”大規模炎上”はあまり見ないものの、最近もそこかしこでコメントが殺到するブログが後を絶たないようである。本書はいくつかの事例を通してブログ炎上の要因と対策を紹介するものである。個人的には2ちゃんねるを半年ロムってれば、ネットの世界のルールが分かると思うんだけどね。それはともかく、分析よりも切り込み隊長こと山本一郎氏や民主党長島昭久議員のインタビューが興味深いムックです。

2007.06.12

EF-111A Compeleted

ハセガワ1/72EF-111Aレイブン改め”スパークバーク”、完成しました。
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F-111は世界初の実用VG翼戦闘機というだけでなく、エンジンはターボファン、自動地形追随飛行が可能など、多くの新機軸を持った大型戦闘機でした。EF-111AはそのF-111の卓越した侵攻能力を援護するためのエスコート・ジャミング機として開発されました。ジャミング機器が格納された機体下面のカヌー型レドーム、垂直尾翼上のRWRフェアリングが外形上の特徴です。
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ハセガワの1/72EF-111Aは、なぜ最近は生産していないのか、理解できないほどの好キット。全面スジ彫り、主翼の前縁スラットとフラップは開状態で再現できます。機首部分と中央胴体部分に段差ができますが、その他は問題なし。
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今回は駐機状態を再現するため、2点ほど弄っている以外は、もちろんストレート組み。キットは主翼を最前進位置で固定するのが仕様ですが、主翼を後退位置にするため、胴体側面を現場合わせで切り込み。さらに主翼の前縁スラットとフラップの部品を加工して格納状態にしています。主翼根元と胴体のウイングピボットには後退位置のガイドがあるので、固定に問題はなし。
それとキャノピーを開状態にするため、ワンピースのクリアパーツを切り離して再固定しています。正直、この作業がこの製作過程で一番、神経を使いました。
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塗装はカッティングエッジのデカールを使って、アメリカ空軍の429ECS所属機"NO FEAR-NO GEAR"を再現。現役時代の最後期、1995年のコソボでのミッション"Operation Southen Watch"参加機です。機首にGPSレシーバーが埋め込まれているので、プラ板で再現したのですが、位置が違うのに気づいたのは塗装後でもはや修正やる気なし。もう1機、キットの在庫があるので、そのときはキチンとします(泣)。
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おりしも、軍事研究07/07にストライク・パッケージの特集の特集がありました。電子戦機で敵レーダーをジャミングし、なおもSAMを射ち上げてきたらワイルド・ウィーゼルが潰し、敵戦闘機が上がってきたら戦闘機で迎撃、それでもって攻撃機が目標を爆撃するというパッケージが、ステルス機を使えば少数機で同じ任務がこなせるそうです。でもね、トム・クランシー「レッド・ストーム作戦発動」世代としては、やっぱアルファ・ストライク(集中攻撃)が燃えるのです。電子戦機、搭載兵器もなく地味ですが、なにか魅かれるものがあります。
さて、次行ってみよー。


2007.06.11

EF-111A Day5th

お祭りの中継のせいで、2ちゃんねる実況板「たかじんのそこまで言って委員会」の麻生太郎マンセー祭りに参加できなかった。まあ、おかげでプラモの製作に集中ともいえるか。
で、EF-111Aは塗装ブース引っ張り出して全体塗装。
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複雑な塗り分けはありません。手順はレドームと垂直尾翼の前縁をレドームグレイ(クレオスH308にH307をちょいプラス、テキトーです)を吹きつけ。マスキングしてから下面をFS36492(H338:H308=8:2)、マスキングしてからクレオスH307を吹きつけ。面積が広いのでプワーっと一気に吹きたいのですが、ツヤを抑えめにしたいのでエアを絞って吹いています。
乾燥したらウォッシングおよびスミ入れ。
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EF-111A、どの機体の写真見てもキレイなので、ウォッシングは控えめに。スジ彫りがしっかりしてるので、スルスルとスミが入ります。
さて、空軍機はステンシルも少なめなので、一気にいきますかね。

2007.06.10

EF-111A Day4th

土曜のニュースまとめ番組のメインの話題は当然、コムスンの社長とグッドウィルの会長の記者会見。”バブル時代の寵児”が、どう間違ったらあんな髪型になるんだろう。
そんなことを横目に見ながら制作中のEF-111A、今日のメイン作業の成果。
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至れり尽くせりのハセガワのワンイレブンですが、キャノピーはワンピースのみ。それを切り離して、スーパーカーのガルウイングを思い出す、開状態にします。
しかしそこは予備のないクリア部品。トライツールのラインエンクレーバー(細彫り用)をPカッター代わりにして、慎重に作業。なんとか無事切り離したが、案の定少し傷つけてしまったので、800→1500→2000のペーパーでヤスってコンパウンドで磨いてやる。さらに切り口を整えた後、マスキングして塗装して一応、完成。なんとか無事終了してよかった。
札幌は何やら騒がしい祭りが開催されていますが、一切無視して全体塗装いきます。

2007.06.09

書評<ホメイニ師の賓客>

ホメイニ師の賓客 上―イラン米大使館占拠事件と果てなき相克 (1)  Guests of the Ayatollah
マーク・ボウデン  Mark Bowden 
先ごろ、国交断絶していたイランとアメリカが、20数年ぶりにイラク情勢を巡って会談を持ったことが伝えられた。本書はその国交断絶のきっかけとなり、今もアメリカでときどき”イラン攻撃論”が噂される根深い要因となったイランのアメリカ大使館占拠事件の全貌を明らかにするノンフィクションである。学生たちが大使館占拠を計画して実行に移し、1年余りを経て人質解放に至るこの事件を66人の人質、カーター政権、イランの上層部など多角的な面からとらえている。
1979年に起きたイランのアメリカ大使館占拠事件について、ミリオタの自分にとっては、その事件よりもデルタ・フォースの人質救出作戦”イーグル・クロウ”が失敗したことの方が印象的だ。だが、それは事件の一部分に過ぎない。過酷な環境におかれた人質たちは拘束者たちの横暴にどのように耐えたのか。宗教と政権の2重構造、あるいは宗教的熱狂と国益の狭間で揺れるイラン側の交渉者たちはどのように動いたのか。弱気を避難されながら冷静に交渉を続けていたカーター政権は、なぜ特殊部隊による解決をはかろうとしたのか。それらを再現しながら、イランという国家の複雑さ、揺れ動くアメリカの世論など、事件に関する様々な面を明らかにしていく。
とことんリアルを追求したノンフィクションだが、そこは著者もアメリカ人。ホメイニ師が現実世界を顧みない日和見主義者に描かれていたりするのは、少し割り引いて考えるべきかもしれない。

事件当時に比べ、現在のイランはほぼ政教一致のイスラム国家であり、ブッシュ政権は弱体化しているとはいえ”力”を信奉していて、かつてよりは両者とも国家として単純化・尖鋭化していると思う。果たして、両者が事件から教訓を学んでいるのか?少し考えさせられるのも事実だ。

初版2007/05 早川書房/ハードカバー

2007.06.08

書評<メディア・バイアス>

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学
松永 和紀
本書は健康系の情報をメインとして、メディアがいかにバイアスをかけて報道し、メーカー側も一見分かりやすい説明で真実をごまかしているかを明かす。センセーショナルに報道された環境ホルモンや添加物の問題が、いかに偏った見方のまま報道されたか。”有機野菜”なるものが本当に体にいいものなのか。洋食が導入される前の”質素な和食”が本当に日本人の寿命を伸ばしていたのか。本書が提供する事実は、食品メーカー勤めの自分が読んでも目からウロコが落ちる思いがするし、いかに物事を多面的に捉えることが大事かを教えてくれる。

また、本書を読んでマスコミについて個人的に思うこと。
マスコミが抱える問題点の1つが、ニュースをバリューではなくセンセーションで報道する点だと思う。なので”○○は危ない”とか”××は健康にいい”というようなことを、例えば科学者が発表すると、たいして調べもせずに飛びつく。その実験環境や内容の怪しさを気にせずに、だ。
それともう1つが、マスコミの人間が文系であること。いや、文系でも物事を多面的に捉え、少しでもデータを理解しようとする姿勢というべきか。科学関係の記者会見で聞かれる「文系の人間に分かるように説明して」などというのは傲慢な姿勢が、グラフやデータの意味も理解せずに記事やニュース原稿を作ることに繋がる。
これは庶民である我々も常に自覚しなければならない。何にせよ、「飛びつく」のはダメなのだ。

初版2007/04 光文社/光文社新書

2007.06.07

BAEL マイラヴ

BAELさん、届きましたよ!
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なんとオシャレなレターなんでしょうか。感謝、感謝です。
えーっと、フィニッシャーでロスマンズ・ブルーってあったっけな。タミヤの956はエンジンもあるから金属色も新規で試してみよう。やべ、また金を使ってしまいそうだ。


2007.06.06

書評<スカイ・クロラ>

スカイ・クロラ
森 博嗣
”僕”は戦闘機のパイロット。空を飛び戦いことも、地上に降り日常を過ごすことも、流れるまま、夢と現実を行き来するように過ごす日々。なぜならば、”僕”は永遠の子供だからだ。

野良犬の塒さんのところで2008年公開の押井守監督の新作の原作となるらしい、との情報を得て、さっそく読んでみた。我々の世界とは少し違う技術レベルの世界、永遠を生きる子供と設定はSFっぽいが、物語は1人称の独白が続き、ほぼ主人公の心象風景で進む。空を飛ぶこと以外は、すべて俯瞰から眺めるように語り、まるで現実なるものを持たない”僕”の物語。確かに押井カントクが好きそうな感じではある。ただし、カントクが「新作は恋愛映画」と言っている部分に関しては未知数。個人的には、「王立宇宙軍」を超えるプロペラ機のドッグファイトを期待します。

初版2004/10 中央公論新社/中公文庫

2007.06.05

書評<新・UFO入門>

新・UFO入門―日本人は、なぜUFOを見なくなったのか
唐沢 俊一
オカルトの分野で、今やUFOは”終わった”ネタとなりつつある。ミステル矢追をテレビで見かける機会はなくなり、海外から輸入される目撃談はあっても、日本人がUFOに関わることはほぼなくなった。だが、確かにUFO学が”アツい”時期があったのだ。本書は戦後の日本のUFO研究の歴史を辿り、日本人がUFOにのめり込み、またUFOから離れていった理由を探っていく。
本書の中心となるのは、日本のUFOを巡る事件の中で、闇に葬り去られた”CBA事件”だ。UFOブームの真っただ中に起き、後の数々のオカルト的な事件と類似点を持つこの事件は、それゆえUFO研究を真面目な学問としようとしていた勢力からは排除され、逆にそれがUFO研究の幅を狭め、宇宙開発の発展につれて先細りになっていく。CBA事件が起きたころ、UFOはその他大勢とは違う優越感を持つ根源であり、また心の安寧をカリスマ的なモノに求める人々の受け皿であったのだ。その意味で、UFOの持っていた役割は後のオウム、あるいは現在のスピリチュアルブームに受け継がれているといえる。
こうした歴史を踏まえた上で、著者はパラダイム・シフトをはかることを主張する。日本人はUFOを見なくなったが、ラテン・アメリカはUFOが日常だ。そのこと事態が、研究に値することなのだと。
個人的にはオカルトで一緒くたにされがちなUFOとUMA(未確認生物)と現在のスピリチュアル・ブームはまったく別モノだと考えている。UFOとUMAは本質的に我々をワクワクさせ、楽しませてくれるものだからだ。だから、著者の姿勢には大賛成である。分かんない人には分かんない価値観だとは思うが。

初版2005/05 幻冬舎/幻冬舎新書

2007.06.04

本日のお買い物 070604

本日のお届け物およびお買い物。
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レベルのユーロファイター、昨年に製作した上にシングルシートもそろそろ入荷しそうなのに、バーゲンとなると買っちゃうんだよなあ。
それとデカールはジャーマンホビードラより。現在制作中のEF-111A用およびTSR.2の仮想実戦配備デカール、本命はイカロスデカールのギリシャ空軍用で、F-16やミラージュ2000用。
sankakuさん、見てますか?これでアイテムは揃いました。教えていただいたサイトを参考に、今年中にはなんとか製作にかかります。


2007.06.03

EF-111A Day3rd

月曜日にブルーな仕事が待っていると分かっていると、その逃避からか意外に作業に集中できるもんですね。
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ハセガワのEF-111A、VG翼を直線状態まで開き、フラップ・前縁スラットダウンで製作するのが標準仕様ですが、ここは駐機形態を再現するために主翼を最後退させる工作。ダブルスロッテッド・フラップが忠実に再現されているのはもったいないが、そこは切り離してフラップ部分を接着。前縁スロットも主翼側の固定ステーを削り取って接着。さすがにピッタリとはいかないのでサンディングにて調整します。
胴体側も主翼差込口が直線状態なので、後退翼にした分を引き込めるようカッターで削って差込口を拡げます。ほぼ現場合わせにて切り裂いた後、切り口をサンディング。現場合わせなのでイマイチゆがんでいるのは内緒(笑)。それにしても、主翼の根元には最後退位置のガイドも切ってあるんだよね。胴体側のパーツが対応していないのは謎だ。

EF-111A Day2nd

いやになるくらいの青い空だが、風に吹かれながらお昼寝。
その後はEF-111Aの脚の製作。
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これまたいやになるくらい、複雑なメインギア。主脚1つ取っても、機体価格高騰の原因になっている気がしますが、そこはハセガワ、しっかりと再現されています。明日は風に吹かれながらサンディングでもしますかね。

2007.06.02

タイフーンの生産ライセンス供与交渉開始

BAEシステムズはユーロファイター・タイフーンの生産ライセンス供与について三菱重工業と交渉中であることを明らかにした。

朝日記事
フィナンシャルタイムズ元記事

この間、F-4EJ後継選定はF-15FXで決まりか、なんて記事を書いたのにこれだからなあ。防衛省が選定する前に、メーカーがライセンス生産の事前交渉なんてのはあるのか?防衛省が三菱使ってF-22の輸出許可出すようプレッシャーかけてるのか?なんか、もうよく分からなくなってきた。

2007.06.01

映画<ザ・シューター>を見てきた

本日より公開の<ザ・シューター 極大射程>を見てきた。スティーブン・ハンター原作「極大射程」はマニアックなガンアクションとトリックが冴えわたる傑作。1994年発売の原作はベトナム帰りの主人公だが、ちょっと無理があるので10年ほど時計を進めて、アフリカ紛争帰りという設定になっている。映画の前評判は悪くないが、20:15からの回は客もまばら。ストーリーはこんな感じ。

海兵隊の狙撃手、ボブ・リー・スワガーは、エチオピアでの任務で相棒のドニーを失い、退役後にロッキー山脈の奥地に引きこもっていた。そこへ政府の人間が任務の依頼に訪れる。大統領に狙撃の危険があり、狙撃ポイントを特定してほしいというのだ。任務を引き受け、狙撃が行われるであろう当日もオブザーバーとして参加したスワガーだが、それはスワガー狙撃犯に仕立て上げる罠だった。負傷しながらも逃亡したスワガーは、現場でスワガーを取り逃がしたFBI捜査官とドニーの元恋人を巻き込みながら真相追及と復讐を続ける。

ストーリーは非常にテンポ良く、140分の時間を感じさせないアクション&サスペンスのお手本。ガン・アクションはアングルなど計算されつくしていて、どの場面を切り取ってもポスターにできそうな”キメ”のシーンの連続。狙撃のシーンも観測手(スポッター)が狙撃手(シューター)と同じくらい重要な役割であることをキチンと描写している(それでも主人公がスーパーな戦士であることは変わりないが)。主人公は常に追い詰められながらも、大きな権力をバックにした”敵”をあぶり出していく。ただ、原作で一番重要なトリックが省略されているが、ストーリーの組み立て上、それはしょうがないか。
惜しいのはラストかなあ。ネタバレしちゃうけど、原作は法律がしっかり機能して、映画は結局ライフルで解決しちゃうんだよな。個人的には、カタルシスは原作の方にあると思うんだが。

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