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2007.06.18

書評<「世界征服」は可能か?>

「世界征服」は可能か?
岡田 斗司夫
一昔前の特撮ヒーローものの”悪の組織”の目的は”世界征服”だった。その曖昧模糊とした目的は、現実的に可能なのか?レインボーマンはじめとした事例をひき、その手法、自分がどのようなボスの類型に属するのかなどユーモアを交えながら解説、最後には”征服者”と”支配”の矛盾を引き出していく。

はじめはクスクスとした笑いをとりながら、自由主義経済とネットが発達した現代社会における革命とは何かという結論に着地させる著者の文章は相変わらずおもしろい。

個人的には、副島 隆彦氏をはじめとした陰謀論支持者に読んでもらいたい。本当に世界を”支配”し、コントロールすることで利益は生じるのか?ひたすら大衆社会への道を突っ走ってきた近代に、果たして”支配者”がいたのか?その答えは歴史と、著者の組み立てた論理に見てとれると思うのだが。

さらに個人的に”世界征服”がうまくいかない例として大企業トヨタの矛盾を指摘したい。トヨタは下請けを叩き、期間工を安価に雇用してコストダウンをしながら自動車を大量生産する。だが、そのことにより所得は階層化し、大量生産した”大衆車”が売れなくなっている。消費社会において、自社の経営方針が、自社の販売台数を下げる矛盾。日本経済界のトップは、この自業自得に気づいていないっぽいが。

数時間で読める新書だが、いろいろなことを考えさせられる本である。

初版2007/06 筑摩書房/筑摩新書

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