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書評<恐るべき旅路>


松浦 晋也
宇宙開発の先進国に比べ制限された開発予算、縄張り争いにより軌道への投射重量が制限された打ち上げロケット・・・なにもかもが制限された中で開発され、打ち上げられ、そして失敗に終わった旧宇宙研の火星探査機<のぞみ>。その失敗の原因はどこにあったのか?計画立案から、最終的に計画が断念された経緯を関係者の証言から再構築し、日本の宇宙開発の姿勢を問うノンフィクション。

題名には少し疑問符がつくが、内容は文句なし。火星探査という大目的のために、個々人が割り当てられた役割を誇りと責任を持って全うしていくプロジェクトを見事に再現していく。少ない予算の中で頭を絞り、アクシデントがあれば粘り強く対処していく。宇宙開発は他の国では国家の威信をかけたものだが、ここ日本では科学者の夢と誇りによって成り立っているのが印象的。しかし、それゆえ<のぞみ>はギリギリの設計となり、結果的に失敗に終わったこともまた事実である。<のぞみ>の失敗から随分経つが、最近の<はやぶさ>の例を出すまでもなく、日本の宇宙開発はスリリングではあるが、安定はしていない。それは宇宙開発の宿命ではあるものの、国家あるいは一般国民に宇宙開発に対する理解があれば、もう少し違ったものになると思うのだが。

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