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2007.07.05

書評<2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? >


西村 博之
新書にありがちなことだが、タイトルに偽りありで、2ちゃんねる管理人である著者が自分の仕事含めたこれから2~3年のネット世界を予測する、といったところか。残りは佐々木俊尚氏、小飼弾氏との対談。ネット社会で起こった起こった事件や著者が抱える係争について何の解説もないし、プログラマーである小飼氏との対談はソースコード作れる専門家でないと理解できないし、本としてはちょっと不親切な感じである。
本書を読んで感じることは2つ。インターネットって世界は、なぜこうもユーザーと企画者と技術者とスポンサーがかい離しているのかということ。ついでに言えば法律も含まれる。著者は本書でネットビジネスがいかに儲からないか(今から儲かりそうなものも実にアヤしい)と強調している割に、著者はある意味で成功を収めているのはなんとも皮肉だ。
もう1つは、成功者である著者の飄々とした?スタイルの裏に隠された強烈なプライドみたいなもの。なんというか、頭が良すぎて、世の中のたいていのことが退屈に見えるんだろうな。意図して悪人をやってるのではなく、法治国家で対応する法律ないんじゃ、しょうがいないでしょ?という開き直り。カリスマ視する人たちがいるのも分からないではない。
まあ、個人的にはweb2.0とかいうよく分からない概念よりも、開き直った著者の見解の方が信頼できるかな、とは思う。

初版2007/06 扶桑社/扶桑社新書

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