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2007.07.31

書評<知られざる日本の恐竜文化>


金子 隆一
例えば、このブログで連載されるスケールモデル製作と、恐竜文化はオタク分野としてどちらがメジャーであるか?毎年のように開催される博覧会、溢れる書籍、新学説が現れるたびに放映されるNHKスペシャルと、表面上は恐竜研究がメジャーで、儲かるように見えるが、本書はそれを否定することから始まる。そして日本におけるオタク的な趣味あるいは研究対象としての恐竜文化を考察していく。著者は恐竜を扱うカルチャーの周辺にいながら、かつアニメオタクでもあるらしいので、それらが交錯する一種独特の私論を展開される。
一見、メジャーな市場を構成していそうにみえる恐竜文化だが、その間口が広いゆえに、いい加減なイラストレーター、造形家、イベンターなどが群がり、誤った知識を世間に広めてゆく。著者はそれに憤慨しながら、趣味としての恐竜研究の深さを説いていく。その怒りはメジャーマイナー問わず、オタクといわれる多くの分野の達人たちに共通するものだろう。基本的な知識さえ曖昧なのに、中途半端に新しい情報を発信し、シロウト向けに仕事をデッチ上げる。オタクが一番嫌う事例が、日本の恐竜文化にはまかり通っている。
一方で、もちろん真摯に情熱を持って恐竜文化に携わる人たちもいる。著者はその人たちを紹介しながら、これから恐竜文化が進むべき道を示している。
幼いころにテレビで見た怪獣への憧れから古生物学へ到る道は、ヒコーキへの憧れから軍事・国際情報へ道を踏み外した自分にシンクロする。どの分野でも、オタクはタイヘンだと、しみじみ思わせる一冊だ。

初版2007/07 祥伝社/祥伝社新書

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