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書評<ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ>


佐藤 克文
水中を生活の場とする動物たちの生態は、当然のことながら常に観察を継続できる地上の動物に比べて不明な点が多い。そこへ近年、動物たちにデータロガーを取りつけることにより様々な連続データを記録し、それを解析することによって生態を明らかにしていく<バイオ・ロギング・サイエンス>が現れた。本書はその現代の動物学のさわりを教えてくれる。
筆者はバイオロギングの創成期からその開発に関わり、日本国内のウミガメの行動記録から始まり、南極のペンギンたちという極地の動物調査まで関わる本学の第一人者である。ゆえに現場経験も豊富で、バイオロギングだけではなく、横道にそれたエピソードも面白い。データログの分析というといかにも頭でっかちの学問にも思えるが、そこは相手は生身の動物。筆者自身が観察したペンギンたちの興味深い行動と、水中でのデータとその分析による脅威溢れる行動記録が交互に記述される文章にはユーモアが溢れている。
発展途上の学問に情熱あふれる学者が取り組む、そんな風景の見える良書である。

初版2007/08 光文社/光文社新書

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