書評<魔法使いとランデヴー;ロケットガール4>
野尻 抱介
元女子高生のアストロノーツが活躍する「ロケット・ガール」シリーズの第4弾。短編3編に中篇1篇の内容で、破天荒かつ実際の物理学に反しない軽めのSFに仕上がっている。
表題作「魔法使いとランデブー」では、彼女たちの所属するソロモン宇宙協会のあるソロモン諸島のシャーマンでありながら宇宙飛行士であるマツリにスポットが当たる。現代科学の粋である宇宙開発と古代からのシャーマニズムが交わり、かつ冒険譚となっている本作は作者のバランス感覚が見えておもしろい。
個人的には、本シリーズには主人公たちが乗るオービターなどの軌道図式があってもいいと思う。軌道の交差などは、なかなか頭でイメージしにくい。うーん、こんなこと言ってるようでは、まだまだオレも”SFモノ”ではないな。
初版2007/07 富士見書房/富士見文庫
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