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2007.08.07

書評<日本の防衛戦略>


江畑 謙介
ミリタリー界のカリスマ、エバケンが日本に対する脅威を分析し、政府及び自衛隊に要求される備えの現状および改善点を提示する。
弾道ミサイル、従来型脅威(在来兵器)、テロと脅威を明確に分け、日本の安全保障の問題点を提示しながら、代替案も同時に示していく。様々な自衛隊の保有兵器に対して、独自開発にしろ、海外からの導入にしろ、的外れなところは避難して改善点を示し、褒めるところは褒めるスタンスはしごく健全。エバケンの過去の著作を読んでいれば、さほど目新しい点がないのは正直なところ。それでも、不確かな知識や特定の思想が散見される自称軍事評論家が多い中、その正確な分析は他を引き離していると思う。
今回の著作で個人的な感想としては、アメリカはともかく、イギリスやフランスの軍事予算をもっと正確に分析してみたいと思ったこと。経済規模とかいろいろあるけど、かの国々は膨大な経費がかかる核戦力を維持しながら、通常戦力の更新もさほど怠っていないように見えるし、対テロ関係の装備もしっかりしている、ように見える。
そのバランスをどのように取っているのか?あれもこれも欲しい(あるいは必要な)自衛隊と比べて、どこに重点をおいて予算を配分しているのか(自衛隊の方が恵まれている部分もあるはず)?そこらへん、ちょっと勉強してみよう。

初版/2007/07 ダイヤモンド社/ソフトカバー

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