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2007.09.25

<名著誕生 ダーウィンの「種の起源」>


生物世界の概念に変革をもたらしたダーウィンの「種の起源」。本書は「種の起源」そのものではなく、「種の起源」がかかれた背景、発刊当時に巻き起こした論争、その後の歴史に与えた影響を広く分析する。
「種の起源」が発刊された19世紀末、西洋世界はまだキリスト教の概念に支配されていた。だが科学は徐々にその権威を否定し始めており、「種の起源」はそのとどめをさすものであった。「種の起源」発刊は衝撃を走らせ、論争を生んだが、それでも人々に受け入れられたのは、その舞台が整っていたこともあったのだ。
20世紀に入って、悪しき「優生学」の下敷きになった「種の起源」だが、分子生物学と遺伝学の発達により、それは否定されつつあった。だが、ダーウィンの根本理論は決して間違っていたわけでなく、21世紀になってヒトゲノムがすべて解読されても、分子生物学と遺伝学と結びついた「ネオ・ダーウィニズム」に”進化”した。これは、生物学の基礎中の基礎となっている。
この他にも様々な分析やエピソードが盛り込まれ、一般人よりはダーウィンを知ってるつもりだった自分も本書に引き込まれ、すぐに読み終えてしまった。1冊の本が歴史に与えた計り知れない影響を学ぶには過不足ないシリーズだと思う。

初版2007/09 ポプラ社/ハードカバー

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