書評<天元突破グレンラガン1/2>
この秋に熱き血潮溢れる最終回を迎えたアニメ「天元突破グレンラガン」のノベライズ。著者はTVシリーズの脚本家であり、ほぼ忠実にストーリーを追っている。
なのだが、ストーリーを追っているだけかな、という感じがしないでもない。グレンラガンはクライマックスのデタラメなテンションの高さが魅力だったが、なかなかそれが伝わってこない。例えば2巻で主人公がもっとも尊敬し、愛し、共に闘ってきた”アニキ”の死から立ち直る場面は屈指の名場面のはずなのだが、熱さが伝わらない。文体も工夫されてはいるのだが、読者がその場面に酔い、何度もページをめくって読み返すまでには至らない。
ノベライズ、ライトノベルというものの難しさをつくづく感じる作品である。
2007/08および10 小学館/ガガガ文庫
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