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2007.11.28

書評<日本はなぜ地球の裏側まで援助するのか>


日本はその膨大な国家債務に関わらず、発展途上国に様々な形で援助をしている。高齢化による崩壊一歩手前の社会保険や年金制度にも関わらず、なぜ一見国益がなさそうに見えるアフリカの小国にまで援助を行っているのか?本書は日本の海外援助組織や援助方法を紹介しながら、海外援助に対する著者の提言をまとめたものである。
著者のいうことは概ね正論だ。日本が格差社会になっていると言っても、発展途上国に比べればその差などないも同然であり、まだまだ世界には貧困に溢れているという人道的な見地。貧困こそがテロの温床であり、世界の安定こそが貿易立国、日本の生きていく道であること。石油や希少金属確保といった、より国益に依った見地。さらに筆者は海外援助のその実際から、自衛隊の投入にも積極的である。
著者も指摘しているが、今の日本の海外援助に足りないのはやっぱり長期的な戦略なんだと思う。中国の海外援助の実例を知ると、個人的には「西欧以外の世界の征服」と感じてしまうくらいだが、逆に言えばその戦略は明確かつ単純。日本もあちらこちらにいい顔をするんではなく、明確な意思を持つべきだと思う。国内の土木企業を儲けさせるような”権益”ではなく、エネルギー・希土類確保など踏まえた”国益”の方である。もちろん、ある段階から机上の空論ばかりになってしまうので、憲法改正は必須事項ですが。
最近の海外援助への批判の高まりは感情的に「アジアへの謝罪意識の薄れ」みたいなのもあると思ってるのだが、やっぱり有人ロケット打ち上げる国に援助って、相手にも失礼だよね。

初版2007/11 朝日新聞社/朝日新書

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