書評<実況席のサッカー論>
NHKで印象的な実況を残している山本氏と、主にペイテレビの海外サッカー中継を実況する倉敷氏のサッカー実況論を、2人の対談形式でまとめている。山本氏のサッカー実況の始まりから、Jリーグ創設を経てどのようにサッカー中継は発展してきたか。映像をスイッチングするディレクターや個性豊かな解説者との関係、実況を巡る状況など、我々が見てきたサッカー中継がいかに作られてきたかが語られる。するもちろん、実況の話だけではなく、2人が長年の取材の中から見出したサッカー・カルチャーについても語られる。同じサッカー中継とはいえ、年齢や活躍のフィールドがずいぶん違う2人なので、共通する部分、相反する部分がうかがえて面白い。
さらっと読み進めることができるが、興味深い話がたっぷり詰まった1冊である。
初版2007/10 出版芸術社/ソフトカバー
« 書評<スプライト・シュピーゲル3/オイレン・シュピーゲル3> | Main | F-8J Day2nd »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 書評<ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く>(2022.08.28)
- 書評<バルサ・コンプレックス “ドリームチーム”&”FCメッシ”までの栄光と凋落>(2022.05.25)
- 書評<冷蔵と人間の歴史>(2022.05.24)
- 書評<ザ・コーポレーション>(2022.05.23)
- 書評<狩りの思考法>(2022.04.19)
The comments to this entry are closed.
Comments