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書評<時砂の王>


26世紀、人類は機会生命体との戦いにおいそれまでの劣勢を挽回し、反撃に出ていた。窮地に陥った機械生命体は、時間遡行を繰り返し、過去の人類へ攻撃を始める。対する人類も、メッセンジャーなる知性体を作り出し、人類に手を貸すべく過去に送り込む。物語は、多くの戦いを経た知性体オーヴィルが邪馬台国にたどり着くところから始まる。

時間遡行によって歴史が改変されようとも、その分岐した歴史において人類が勝利していればいい。過去の多くの時間旅行SFにおいてタブーと設定された歴史改変をあえて受け入れ、それゆえに知性体が抱かざるをえない苦悩を描き出したSF。だが、本作においてはそうしたSFとしての魅力よりも、なんといっても彌与、すなわち卑弥呼の魅力につきる。誇り高く、王としての責務を忘れず、敵に立ち向かう気高い姿がまさに理想の女王として描かれる。日本の国家としての歴史に彼女の存在があったことが誇りに感じ、まさにフィクションであることを忘れてしまいそうになるほどである。

初版2007/10 早川書房/ハヤカワ文庫JA

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RF-4E Day1st

ファントム祭り、第2弾はこれで行きます。
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ハセガワ1/72のRF-4Eリコン・ファントムの501SQ戦競スペシャル。なぜか今まで作ったことないんですよね、空自のリコン・ファントム。
んで、3連休の成果。
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脚やパイロンなど小物一式と本体のシャドー入れるとこまで。三菱F-1とまったく同じ迷彩だと思って塗料を揃えたんですが、グリーンが違うことに塗装途中に気づいたので(泣)、全体塗装はたぶん年明けにやります。
ところで、このファントムもサンディングの後やモールドが浅いところをリベット打ち直してるんですが、なかなか真っ直ぐリベットが打てません。みなさん、どんな道具使ってるんでしょうか?何かコツがあれば教えてエロい人!


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本日のお買い物;それいけ!女性自衛官<航空自衛隊編>

クレカで食玩を大人買いすることに疑問を抱きつつ、買ってきましたピットロードの女性自衛官フィギュア・航空自衛隊編。それでは、さっそく紹介しましょう。
まずは観月光三等空尉。
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小牧の救難教育隊のパイロット候補生。救難隊なら女性パイロットが実在しそうですが、まだU-125Aの方しかいないそう。
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こちらは観月三等空尉の常装冬服の外套姿。女性のトレンチコート、個人的になぜか好きなのでツボです。
続いて女性自衛官シリーズで一番華やかな女子演技隊姿の出雲彩2等空士。
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金髪なので、海外のマーチングバンドの女の子みたいっすね。
次はちょっと異色、清美隼3等空曹。
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業務群管理隊の警備小隊、ということなんですが、内股で両手に腰というポーズは狙い過ぎの感じ。てゆうか、なんか頼りない(笑)。空自基地の警備がなぜ迷彩服なのかはマジでナゾ。
次は秋津あかね1等空士。
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夏服の略帽ということで、オレらが基地祭なんかで一番見慣れた制服なのかな?こちらは基地業務隊の給養小隊所属ということで、給食係のおねーさんですね。
最後は中嶋レイ3等空曹。
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ブルーインパルスの整備員で、実家が航空機のネジを作る町工場という設定。MHIに無理難題を押し付けられる経営者の両親の方が個人的には気にかかる(笑)。

ということで、萌えの極北として衝撃的に登場した女性自衛官シリーズもとりあえずこれでラスト。女性自衛官が憧憬のまとになっているというだけでも、自衛隊も変わったなあ、とつくづく思います。
さて、関係各社は次になにを持ってくるのか?ちょっと楽しみです。


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書評<暗黒水域>


アメリカ海軍にハイペースで原子力潜水艦が配備されつつあった1960年代、同時に民間では深海探査の扉が開きつつあった。アメリカ海軍においてもサルベージなどの任務から深海探査の必要性が検討され、原潜の父、リッコーヴァー提督を中心としてある画期的な原潜の開発がスタートした。後に<NR-1>と呼ばれるそれは、進水する前から苦難の道を進むこととなる。

原子力機関を動力としながら小型で、なおかつ深海の圧力に耐えるべく船殻を持ち、マニュピュレーターで様々な作業が可能な潜水艦<NR-1>の初代乗組員だった著者の手に依るノンフィクション。その<NR-1>による海洋冒険というよりも、様々な技術的困難に立ち向かった技術者や今だ誰も経験したことのないフネに乗り込む著者をはじめとする乗組員たちの記録が主となっている。
そして彼らライトスタッフに、技術的障壁と共に立ちふさがったのがリッコーヴァー提督である。アメリカ海軍内、いや国防において絶大な権力を奮った彼は、その類い希なパーソナリティにより、計画を強烈に推進すると同時に、厳しい要求を関係者に突きつけ、苦しめた。今となっては滑稽ともいえる、たびたび登場する提督のエピソードこそが、本書を読者をグイグイと引き込ませるノンフィクションにしているといえるだろう。
深海探査の知られざる物語と、艦船ファンなら誰もが知るリッコーヴァー提督の知られざるエピソード。どちらをとっても、貴重な物語には違いない。

初版2004/01 文藝春秋/ハードカバー

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<5000thPhantomⅡ Completed>

ハセガワ1/72マクダネル・ダグラスF-4EファントムⅡ"5000thPhantom"、完成しました。
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F-4ファントムⅡは5000機以上が生産され、西側諸国で長く使用されているベストセラー戦闘機です。本機は1978年、マクダネル・ダグラス社のセントルイス工場で通産製造5000機目のF-4Eに施された特別塗装機です。
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キットはハセガワ1/72の限定版キット。シートベルトと機首ピトー菅をファインモールド製に交換した以外はストレート組み。
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塗装に関しては青いストライプ部分のデカールも付属しているものの、カラーがあまりに違うのと大面積のため、当初から使用を断念。先に排気口周りをオリジナル黒鉄色+メッキシルバーで塗装した後、クレオスの新色、クールホワイトを全体に吹きます。その後、デカールを型紙にしてマスキングシートを作り、ブルーのストライプを吹いています。濃いブルーの方はH5ブルーにホワイト、薄いブルーはH34スカイブルーにホワイトを加えて調色。エアブラシで吹くと思ったより彩度が低く、クールホワイトと相まって狙った所より爽やかな仕上がりになりました。
ピカピカに仕上げようと、最初にメッキシルバーを吹いたのが今回のケチのつき始め。垂直尾翼付近にはみ出すようにメッキシルバーをいい加減に吹いた後、マスキングしてサーフェサー→ホワイト→ブルーを吹いたのですが、メッキシルバーは溶剤が違うためが重ねた塗料が食いつかず、垂直尾翼の塗装の一部がパリパリと剥がれる。かなり厚塗りしていたので後からエアブラシでタッチアップしても段差が残りみっともないことになってしまいました。これをやり直すのは自分にはもはや不可能なので、もうそのままにしました。
うーん、言い訳が長いな(笑)。
ともかく、その後デカールを貼った後(側面の国旗のデカールは塗装用に別途、付属しています)、ガイアのクリアーを4回吹き重ねてツヤを出しています。
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とにかく今回の反省は塗料やエアブラシの特性を無視して塗装をしてしまったこと。前記のメッキシルバーの件もそうですが、ホワイトも温度も湿度も違う日に吐出量を変えてタッチアップしてしまうと、そこだけ微妙にトーンが変わったりと、かなり仕上げに苦しみました。いつも半光沢の迷彩塗装+ウェザリングでごまかしているところが、光沢の爽やかな塗装だけに目立ってしまうんですね。
今回の反省を生かして?しばらくはファントムの連続でいくつもりです。

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書評<老ヴォールの惑星>


ここのところ、集中的に読んでいる小川一水氏の短編集。ホット・ジュピターに生まれた知的生命の奇跡と扱ういかにもSFの表題作や、迷宮に送り込まれた政治犯が社会を作り出すまでを描く「ギャルナフカの迷宮」など、バラエティ溢れる作品が詰め込まれている。

著者の作品が個人的に肌に合うのは、概して”ハッピーエンド”だからだと思う。ハードSFというとどうも悲観主義と退廃が溢れた作品の方が多い気がするが、著者の作品はあくまで前向きで、一片の希望を残して終わる。甘いとかライトノベル的という評価もあろうが、自分にはこれくらいがちょうどいい。

初版2005/08 早川書房/ハヤカワ文庫JA

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5000thPhantomⅡ Day4th

5000thPhantomⅡはこの週末で全体塗装。
キットにはデカールも付属していますが、色味がかなり違うので使い物にはなりません。まずは全体にクレオスのクールホワイトを吹いてブルーを吹くためにマスキング。
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クレオスのクールホワイト、確かに隠ぺい力は高いです。付属のデカールをコピーして型紙代わりにしてマスキングテープをカット、マスキングをしています。濃いブルーはH5ブルーにホワイトを加えて調色。
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いったん全部マスキングを剥がして、次は薄い方のブルーを吹く。こちらはライトブルーにホワイトを加える。
んで、吹き終わった後はこうなる。
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書くと簡単なんですが、マスキングテープを剥がすときに垂直尾翼の塗装が下地のサーフェサーごと剝がれりトラブルの連続。といっても自分のせいですが。手抜きしてメッキシルバーの上から直接重ね吹きしたのがいけなかった。メッキシルバー自体はマスキングに強いのですが、塗面が平滑になるためと溶剤が違うため塗料が食いつかず、重ねて吹くと簡単にペリペリ剥がれます。完全修復は自分のウデではできそうにないので、カラーだけエアブラシでのせてます。写真や例会でガッタガタの垂直尾翼を見てもツッコミはなしでお願いします(泣)。その他、細かく言えばいろいろあるのですが、完成しそうにないのでそのままデカール貼りへ。
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この後クリアーを重ね吹きしていきます。

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書評<図書館戦争>


”公序良俗”を旗印に、”非教育的図書”を排除するために実力行使も辞さないメディア良化委員会と、出版と読書の自由を守るために蔵書を武力を持って死守する図書館員会の戦いが続く日本。その特殊部隊に配属された熱い新人、郁は指導教官やクールな同僚とぶつかりながらも図書館員として成長していく。

本好きの心をくすぐる設定だけでなく、物語も巧みに進行し、多くの本雑誌に取り上げられるのもうなずける。いつまでも書店に平積みされるベストセラーながら、なかなかBOOKOFFなんかに流通しないのも、購入者が大切にしてるからなんだろうな。その設定はごくシリアスなのだが、そこに固執することはなく若者の成長物語として描かれている。設定や世界観にあえて寄りかからずに人間の姿を描く手法には好感が持てる。
ただし、BARSERGAさんも書いているように、ハードカバーにして単価を拡げるのはどうなのかな。ライトノベルの延長で読む大人の小説っていう位置づけなんだろうけど、やっぱりハードカバーって敷居が高いし、読者層が広がらないのではないかと思う。この作者、いいじゃんと思っても、著作が全部ハードカバーじゃ、ちょっと追いつけない。
まあ、ケータイ小説がハードカバーでガンガン売れる時代だからなあ。価格的なハードルを上げるのが返っていいのかも。

初版2006/02   メディアワークス/ハードカバー

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書評<復活の日>


復活の地 2 (ハヤカワ文庫 JA)
復活の地〈3〉 (ハヤカワ文庫JA)

銀河の辺境に位置する惑星のレンカ帝国の首都トレンカを大地震が襲い、壊滅な被害を被った。植民地総督府の官僚セイオは大きな打撃をうけた政府や自治体機能が機能しない中、強烈なリーダーシップで復興院総裁として帝都復興を目指すこととなる。民衆の反発、軍の不穏な動き、魑魅魍魎がうごめく他の惑星の列強諸国の不穏な動向などが絡み合い、セイオの手足を縛る状況に、果たして帝都の復興はなるのか。

壮大なスケールで描く”震災復興SF”。おそらくは阪神大震災を事例として、即座に動けない官僚的な自治体の各組織、タテ割で協力体制ができない警察や消防、権力を弄ぶ政治家の姿と、清廉な思想を基に動く主人公を対比しながら物語を進めていく。そこに民衆ではなく国家を守ろうとする軍隊や、大震災を受けた国家の運命を弄ぶ列強諸国の干渉と、あくまでシュミレーション小説ではなくSF的なエンターテイメントも並列しているので、次の展開を読みたくてページをめくる手が止まらない。
テレビで報じられる日本の官僚のいい加減さなんか見なくても、大小の違いはあれど組織に属していれば本書の描くジレンマには共感できる。リーダーシップを発揮することと現場に干渉することとの微妙な違い。セクションの壁が大きく、物事が思うように進まないときの諦観。とにかく現状維持にこだわり、何かあれば”上”に判断を求める中間管理職。
そう考えると、歯ぎしりする現状を変えるヒントになりそうな、変わったSFでもある。あなたやワタシにその権限があれば、ですが(笑)。

初版2004/06 早川書房/ハヤカワ文庫JA

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5000thPhantomⅡ Day2nd

すでにマイスターたちが続々と完成させているファントムⅡ祭り、ウイングバックはこれでいきます。
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ハセガワ1/72F-4ファントムⅡの生産5000機記念機。個人的に”もっとも美しいファントムⅡ”と思ってます。マスキングがちょいと難しいので今まで製作をためらっていたのですが、これを機にトライします。
ハセガワのファントムⅡはブログ始めてからも何機か作ったのでここ2日の製作工程は自分の記録用にメモ書きで。
①シートはファインモールドのエッチングパーツを追加。
②胴体はプラ板で補強入れる。前部胴体と後部胴体を接着→主翼下面を胴体に接着→接着剤多めで主翼下面を接着、タイラップで固定。その後、エアインティークを組んでサンディング。
③脚カバー、タイヤなど先に塗装。
④排気口付近は新品かつ記念機なのでメッキシルバー+明るめに調節した黒鉄色で。
今回はここまで。

ところで、今回のイメージソースはコレ。古い光文社文庫の「F-4ファントム物語」の最終ページが確かこの写真で、印象深いショットです。まだ社長と開発された航空機が結びついていた時代ですね。
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社長、いい顔してるなあ。このジェームズ・スミス・マクドネル社長に似た1/72のフィギュアも作りたいな。鉄道模型か何かでハゲでスーツのフィギュアがあったら、教えてください(笑)。

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F-104J/DJ Completed

ハセガワ1/72ロッキードF-104J/DJ、完成しました。
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F-104は1950年代に開発され、空自の第2代主力戦闘機として採用されました。当時は超音速を出すために様々な形態を模索していた時代。ロッキードの天才・ケリー・ジョンソンが出した答えは薄くアスペクト比の低い主翼と、極限まで絞り込んだ胴体の組み合わせの軽量戦闘機。デラックスな機体がお好みのアメリカ空軍での就役期間は短かったのですが、NATO各国や空自では鋭い上昇力を持つ戦闘機として、長く現役にとどまりました(導入に関してはロッキードの”政治的手腕”が発揮されたようですが)。
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ハセガワのJ/DJ2機が入った限定版キットをストレート組み。機首ピトー菅のみプラッツに交換していますが、部品とデカールがサービス不足な関係上、とレギュラー品から部品取りして、別売デカールも使用と、結果としてかなりリッチなモデリングとなっています(泣)。キットは全面スジ彫りと後部胴体のリベット表現の良好なものですが、金型が傷んでいるのかリベットやスジ彫りの深さが左右胴体で違ったり、プラの厚さが不足している部分があったりします。
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F-104DJの方は空自那覇ABの207SQを再現。機番から分かる通り、日本で最初に導入されたDJです。地理的に塩害を防止するためにエアクラフトグレーで全面塗装されています。後部胴体は黒鉄色+H8シルバー+クリアーオレンジの混色と、クレオスのメッキシルバーの2トーンで塗装。自分ではそこそこうまく表現できたのではないかと。
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F-104Jの方は百里ABの206SQ。北海道在住モデラーとしては千歳ABの所属機体を選ぶべきなんでしょうが、あのクマのマークはどうも緊張感がなくて(笑)。機体全面はガイアのスターブライトジェラルミンを吹いたのですが金属感が生々しく、半ツヤクリアー吹いて落ち着かせてます。空自F-104のシルバーは導入当初を除いてアルミ粉混じりの塗料を使用しているそうで、キラキラしていればいいってもんでもないので、難しいですね。
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いつもなら半ツヤの水性トップコートを吹いて完成なのですが、シルバーのツヤがどうなるか分かんないんので、ハセガワのコーティングポリマーで磨いて完成。

なぜかF-104は今まで作ったことなかったのですが、写真で見るより力強いラインが印象的です。やはりセンチュリーシリーズはイイ。もうトラぺかホビーボスでいいので、1/72でF-102とF-106を出してください。よろしくお願いします。

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書評<MM9>

現代の我々の世界と少しだけ異なる世界。そこでは、怪獣が日本に上陸し、各地に被害をもたらしていた。気象庁は特異生物対策部を設置し、怪獣の研究・出現予報・対処計画の作成などを実施していた。今日もまた、怪獣目撃の知らせを受け、機動班が出撃する。

怪獣を台風あるいは地震になぞらえ、気象庁の職員との戦いを描くSF。
以下ネタバレ。


基本線としては現実世界とパラレル・ワールドの接点としての怪獣と、人間の意識についての関係がバックグラウンドにある、しごくマジメなSFである。人間が認識しているからこそ宇宙が存在し、人間が認識できない別の世界の存在として怪獣を捉えることにより、「人間原理」の考え方を優しく説明する解説書、といったところか。そして物語世界そのものが我々の世界のパラレルワールドであることを意識させ、並行宇宙の存在を認識させる。
一時期、「科学的に捉えれば身長50mの怪獣など、物理的に存在し得ない」みたいな理科本が流行したことがあったが、それに対する著者流の回答書であるといえよう。と学会で非科学的なことを唱える輩を笑いながらも、人知を超える存在もまた否定しない、著者らしいSFであると思う。

初版2007/11 東京創元社 /ソフトカバー

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書評<アフリカン・ゲーム・カートリッジズ>

現在の東京と少しだけ異なる世界。何もない空間から思念のみで銃を生み出す”銃使い”の存在が社会を脅かし、”銃使い”の取り締まりを専門とする重武装の警察機関、国家特別銃取締局も暗躍していた。
銃使いによる立てこもり事件に巻き込まれた主人公は、自ら”銃使い”の能力を覚醒させる。そして彼は”銃使い”の組織、アフリカン・ゲーム・カートリッジズと国家特別銃取締局との戦いに巻き込まれていく。

「授業に出る。本屋に行く。本を読む。興奮する。倦怠感に包まれる。授業に出る。倦怠感に包まれる。本屋に行く。」
冒頭の主人公のこのモノローグに泣きそうになった。”授業”を”仕事”に変えれば、オレは今でも・・・と思う。著者は”ミリオタの孤独と妄想”を痛いほど体現する文章を書く。退屈な学校で事件に巻き込まれ、本の世界の中のものであったベレッタを握り、ブレットとカートリッジをまき散らす。その妄想を、裏切りや陰謀を交えた物語にできるところが、一般的なミリオタと著者の才能の違い、なんだろうな。
個人的には強烈な同性愛の性描写はちょっと苦手だが、これはオレがまだまだ保守的な証拠なんだろう。これができないライトノベルでは著者の作品はどんなふうになるのか。未読なので読んでみよう。

初版2007/12  角川書店/角川文庫

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F-104J/DJ Day5th

ひいきのJリーグチームのJ1/J2入れ替え戦を見るために早く帰宅したのにも関わらず、どうにも落ち着かなくってデカールを貼り始めたあげく、予想外に時間がかかり、気がつけば深夜マイナス1。
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部隊マークと機体ナンバー以外はプラッツのコーションマークセットを使用。このコーションマーク、いろんなところが一体で印刷されていて、品質も少々固いが扱いやすいので作業が早く済むスグレもの。当たり外れが大きい純正デカールを避けて使う意味はあると思う。

入れ替え戦の方は最後に首の皮一枚つながった。土曜日はながら見なんかせず、集中して勝利の祈りを捧げよう。

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書評<導きの星>


導きの星〈2〉争いの地平 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)
導きの星〈3〉災いの空 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)
導きの星〈4〉出会いの銀河 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)

遠い未来、人類は銀河系1000光年の範囲にまで進出していた。それまでに人類が発見したETI(地球外生命体)はいずれも文明の発展具合は遅く、人類は不接触を原則としてETIの文明の発展の後押しをするオブザーバーを各惑星に送り出していた。
惑星オセアノに派遣されたオブザーバー、司はそれぞれ目的を持ったアンドロイドの少女たちとともに、現地の高等動物に干渉し、”平和的”に文明の発展を促そうとするが、失敗の連続で、結果としてオセアノは人類に似通った歴史を辿っていた。その失敗の影には、より大きな意志と力の干渉が隠されていた。


様々なテクノロジーを実現した人類による、文明育成シュミレーション小説かと思いきゃ、物理法則を超える力を持つ存在をチラつかせ、人格を持つアンドロイドたちの反乱を勃発させ、そして最後は星間戦争と、様々な面を持つSF。その中で主題としては”人類の落日のとき”になるのかな。科学技術の発展とその享受により、、自ら勢力圏を拡げる意思を失った人類。その人類を”文明育成シュミレーション”していたより高度な存在の意思を超えて、異星人との協力をもとに”滅び”を避けていく。銀河系辺境の”盟主”を明け渡すともに。ハードSFほど難解ではななく、様々なSF的要素のキモは押さえながらも暖かい出会いが基本の物語で、4巻をすいすいと読めた。

それにしても、なぜ良質なSFを書く作家に限って”人類を超える大いなる存在”が登場するんだろう?この広い宇宙で異星人との出会いが基本的に不自然なことをどうしてもごまかせず、それゆえに宇宙の生命を操る存在に頼ることになるのだろうか。そこらへん、聞いてみたいところ。

初版2002/01~2003/11 角川春樹事務所/ハルキ文庫

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F-104J/DJ Day4th

BSデジタルの新チャンネル、BS11のアニメ番組がなんだか良さげなラインナップ。新しいHDDレコーダーを導入して以来、いっそ見たことがなかったBSデジタルだが、見る機会(ほとんど録る機会、だが)が増えるかな。

ちょこちょこといじっていたF-104J/DJ、昨日と今日でようやく全体塗装。
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塗装の順番はレドーム、脚収納庫を吹いてマスキング→下地にセミグロスブラックを全体塗装→後部胴体の一部をクレオスのメッキシルバーを吹いてマスキング→後部胴体の排気口部分を吹いてマスキング→Jの方はシルバー、DJの方はエアクラフトグレーを吹く。マスキングを剥いで終了。
排気口部分はH8シルバーにクリアーオレンジと黒鉄色を加え混色。ちょっとシルバーにより過ぎた感じ。
Jの方のシルバーはガイアのスターブライトジェラルミン。今回のF-104は尽きるところ、これが使ってみたかったんだけど、どうも質感が生々しい感じで、空自のF-104のシルバー塗装というよりは、50~60年代のアメリカ機のナチュラルメタルな感じ。”ジェラルミン”を目指した塗料なんだから当たり前か、と吹いた後に気づくバカなオレ(泣)。写真は落ち着きを出すためとコーティングのためにフラットとクリアーを混ぜたものを全体に重ね吹きした後のもの。結局、クレオスのH8をビン生で吹いたのとたいして変わらない仕上がり。塗料は進化してますが、使いどころはやっぱりよく考えないとダメですね。
今回はマスキングが一発で決まったことで満足することにします。

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