書評<老ヴォールの惑星>
ここのところ、集中的に読んでいる小川一水氏の短編集。ホット・ジュピターに生まれた知的生命の奇跡と扱ういかにもSFの表題作や、迷宮に送り込まれた政治犯が社会を作り出すまでを描く「ギャルナフカの迷宮」など、バラエティ溢れる作品が詰め込まれている。
著者の作品が個人的に肌に合うのは、概して”ハッピーエンド”だからだと思う。ハードSFというとどうも悲観主義と退廃が溢れた作品の方が多い気がするが、著者の作品はあくまで前向きで、一片の希望を残して終わる。甘いとかライトノベル的という評価もあろうが、自分にはこれくらいがちょうどいい。
初版2005/08 早川書房/ハヤカワ文庫JA
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