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書評<復活の日>


復活の地 2 (ハヤカワ文庫 JA)
復活の地〈3〉 (ハヤカワ文庫JA)

銀河の辺境に位置する惑星のレンカ帝国の首都トレンカを大地震が襲い、壊滅な被害を被った。植民地総督府の官僚セイオは大きな打撃をうけた政府や自治体機能が機能しない中、強烈なリーダーシップで復興院総裁として帝都復興を目指すこととなる。民衆の反発、軍の不穏な動き、魑魅魍魎がうごめく他の惑星の列強諸国の不穏な動向などが絡み合い、セイオの手足を縛る状況に、果たして帝都の復興はなるのか。

壮大なスケールで描く”震災復興SF”。おそらくは阪神大震災を事例として、即座に動けない官僚的な自治体の各組織、タテ割で協力体制ができない警察や消防、権力を弄ぶ政治家の姿と、清廉な思想を基に動く主人公を対比しながら物語を進めていく。そこに民衆ではなく国家を守ろうとする軍隊や、大震災を受けた国家の運命を弄ぶ列強諸国の干渉と、あくまでシュミレーション小説ではなくSF的なエンターテイメントも並列しているので、次の展開を読みたくてページをめくる手が止まらない。
テレビで報じられる日本の官僚のいい加減さなんか見なくても、大小の違いはあれど組織に属していれば本書の描くジレンマには共感できる。リーダーシップを発揮することと現場に干渉することとの微妙な違い。セクションの壁が大きく、物事が思うように進まないときの諦観。とにかく現状維持にこだわり、何かあれば”上”に判断を求める中間管理職。
そう考えると、歯ぎしりする現状を変えるヒントになりそうな、変わったSFでもある。あなたやワタシにその権限があれば、ですが(笑)。

初版2004/06 早川書房/ハヤカワ文庫JA

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