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2008.02.18

書評<ARIEL 1>


平和な日本にハウザー率いる宇宙戦艦が侵略にやってきた。日本が誇るマッドサイエンティスト、岸田博士は女性型巨大ロボットに自らの孫と姪を搭乗させ、出撃させる。果たして戦いの行方は・・・。

現在のライトノベルの隆盛の祖といえるSFの1つがARIELだ。宇宙からの侵略というフォーマットに乗せて送るドタバタ劇。散りばめられた小ネタの数々。それでいてメカやSFの設定はしっかりしている。個人的には完結に至るまでに”卒業”してしまい、さらに朝日ソノラマが亡くなってしまったが、ここにきての復刊である。あらためて読むと、その密度の高さに何よりも驚く。昨今のライトノベルと基本線は変わらなくても、そこに詰め込んである世界観、キャラクター造形と感情の動き、メカ設定の量と質は段違いだ。もちろん、1980年代に始まった物語なので、テクノロジーに至らない点もあるが、それもまた古典の味わいだろう。
また、番外編を一編ずつ収録されていて、それがまた芸が細かい。たいへんお得な復刊である。

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Comments

 私も完結前に卒業しちゃった口ですが、ソノラマの廃業を知って慌てて残りを買った口です。 復刊に番外編が入ってるなら待てばよかったかな(^^;
 番外編は雑誌連載時に読んだ覚えがあるのに単行本に収録されていなかった話が幾つかあったと思ったのでそれなんでしょうかねぇ?

>あるばさん
番外編が収録されるかは分かりませんが、とりあえず追加分は今回の復刊での書き下ろしです。

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