書評<萌えよ!陸自学校>
萌えイラストでミリタリーの世界を解説する入門書シリーズ。イカロス出版にはまあイロイロとご意見がある方もいらっしゃるでしょうが、自分はアリだと思ってます。
それはともかく、陸自の入門書としてはよく出来ているのではないかと。陸自の装備の解説という分かりやすい分野から出発し、陸自の基本的な組織割りや直轄部隊や方面隊の構成、その主要任務など幅広くカバー。狙うところはきしくも防衛白書と似ているのではないかと感じます。ミリオタにはいわずながもの知識がほとんどですが、欄外の”なかのひとの声”などのミニ知識、変わりつつある方面隊の役割などは新鮮な部分があるのではないかと。陸自の詳しい戦術などにはあんまり踏み込んでないので、ここは続編に期待かな。
それと褒めてあげたいのは、おふざけ的な解説に終わらず、シビリアンコントロールや近代民主主義と軍隊の関係に踏み込んでいるところ。自衛隊自体は様々な問題を抱えながら状況に対応しつつはあると思うけど、問題は結局ここに行きつく。そこのところは「国民の意識もずいぶん変わった」で済まさず、解決しなければいけない根本的な部分であることを常に考えなければならない。そういう問いかけは、今後のシリーズを通して忘れてほしくないものだ。
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