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2008.02.06

書評<新左翼とは何だったのか>


押井守という映画監督を追いかけていると、その作品にカントクの学生時代の左翼運動の影が色濃いことが印象に残る。<人狼>シリーズは言うに及ばず、<パトレイバー>さえも革命をテーマにしてしまった。カントクが経験した学生運動とは何だったのか。そのことを知るために本書を手に取ってみた。
著者はかつての新左翼の”なかのひと”。共産主義の分派についてなるべく一般ピープルに分かりやすく解説しながら(それでも似たような名前のセクトが数多く登場して混乱する)、時系列に沿って左翼運動から学生による新左翼運動が生まれる経緯、その活動、内ゲバの多発の原因などを解き明かしていく。
本書を読んだ感想というのは、たぶん年齢によって大きく左右されると思う。政治というものに多少なりとも興味を持った10代末期には東欧革命が起き、ソ連が崩壊していた自分などにとっては「かつて戦後日本でも革命が本気で心配(期待)された時期があった」と言われても、なかなか実感できない。まして国家権力に立ち向かう勢力の暴力が、結局内側に向かう理論は容易には理解し難い。
いわばその”狭い世界の状況”を本書は正直に書いてはいると思う。学生運動とはエリート意識がもたらしたものであったこと、生協などの既得権益を守るものであったことなど、”熱い思想革命”だけではなく、人間の行動として生々しい面を隠さない。
新書なんかでマルクス・レーニン主義や60・70年代当時のことを分かったような気になっては、押井カントクに怒られるだろう。ただ「人より自分はエライと思いこみ、その思想と行動が正しいと思いこむ」ことの危険性とその結末だけは理解できる。

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Comments

自分のことが一番誤解しやすい事象でしょうね。

>高○さん
自分が正しいと思いこむことを諌めなければいけませんね。

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