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2008.04.11

書評<世界自動車戦争論 1>


とある月刊誌に、”ブランド”というキーワードを念頭において連載された自動車評論をまとめたもの。初っ端に日産GT-Rの評論と著者の考えるブランド論を掲げ、現在の世界の”ブランド車”たちがどのようなコンセプトをもとに開発されたかという各論に入っていく。
乱暴に著者の主張を一言にまとめると「グローバル化した現在の市場において、メーカー各社の技術的格差は素人が思うより少ない。自動車はブランドで選ぶ時代だ」ということ。確かに、本書に登場するメーカー各社の最上級車には、メーカーの考える自らのアイデンティティが詰まっていて、著者のまとめに一部の隙もない。
個人的に著者に今後突っ込んでほしいのは、高級車ではなく我々大衆が乗る「フツーの乗用車」ではそのブランド戦略はいかに展開されているのか?もっというと、日本の自動車輸出を下支えしているBRICsはじめとした新興市場において、中国やインドといった新興メーカーにどう立ち向かえばいいのか?高級車の評論もいいが、そのへんの事情の評論ももっと読みたい。

初版2008/04 双葉社/ソフトカバー

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