書評<左翼はどこへ行ったのか!>
今の日本は右傾化している、そうである。まあそれはともかくとして、ある一定の支持を除いて、いわゆる左翼勢力にかつての勢いがないことは確かである。では、熱く革命を語った彼・彼女らと、その後を継ぐ者たちは今どこにいるのか?フリーターの労働ユニオンや沖縄の平和運動を中心に、日本の左翼勢力の現状を追う。
別冊宝島とはいえ、はっきり言って消化不良である。個人的には、正社員も契約社員も不幸な現状を変えようとする労働ユニオンを”左翼勢力”とまで思えないし、沖縄の平和運動もある程度までは理解できる。
ミリオタとして知りたいのは「無防備都市宣言」とかいう運動を繰り広げる”脳内お花畑”な方々のことである。アメリカ海軍の艦艇が入港するときは反対をコールし、人民解放軍艦艇入港の際には沈黙。自衛隊のやること成すことにとにかくケチをつける。そんなプロ市民と呼ばれる方々はどこから生まれ、どこに住み、その最終目的はなんなのか?資本主義・自由主義を柱にする日本の体制に反することが左翼とするなら、プロ市民の彼・彼女らこそが今の日本の左翼勢力だと、個人的には思うのだが。
本書のあとがきで「団塊世代の活動家に触れることができなかったので、次はそこらへんを」とあるが、プロ市民の方々の実態についてもレポートお願いします、編集部さん。
初版2008/04 宝島社/ムック
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