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書評<とある飛空士への追憶>


BARSERGAさん推奨)
”大瀑布”と呼ばれる大海を2つに分ける滝の存在と、水素をエネルギー源とする燃料電池により、プロペラ動力の飛行機が極端に発達した世界。天ツ上皇国とレヴァーム帝国は世界を2つに割って戦争を繰り広げていた。
2つの国民の混血児であるシャルルは差別されながらも、抜群のウデを持つ飛空士。彼がお妃候補を乗せて、敵中を長躯12,000kmを単独飛行する任務を命じられるところから、物語は始まる。

身分違いの少年と少女が紡ぐ典型的なボーイ・ミーツ・ガールの物語だが、何よりも空戦シーンの描写が素晴らしい。技術レベルはプロペラ動力の限界あたりの戦闘機が、ヒラヒラと舞い、雲間を駆け抜けるシーンは、宮崎駿作品あるいは「王立宇宙軍」の空戦シーンを思い起こさせる。さらに、いくつかの有名なパイロットの自伝を思い起こさせるシーンもあり、その描写は秀逸だ。
もちろん、自分の感情を心の奥底に押し込めてしまったお姫様が、だんだんと生き生きとした少女になっていくメインプロットの組み立てもイイ。ライトノベルと呼ぶにはもったいない作品だ。

初版/2008/02   小学館/小学館ガガガ文庫

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