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2008.06.11

書評<股旅フットボール>


基本的にJリーグを頂点にする日本のサッカーはヨーロッパのクラブ・システムを理想としている。地元に密着したクラブが”無数”に存在し、ピラミッドのすそ野を広くすること。いわゆる”百年構想”である。
その理想をもっとも体現し、そしてその現実に苦しんでいるのが地域リーグのクラブだ。著者は全国を巡り、各地の地域リーグのクラブをピックアップ、それに密着することによって、”百年構想”の光と影を描き出す。
地域リーグのクラブはその設立動機、施設や理念まで千差万別だ。バックにサッカー界のVIPの影がちらつくクラブ。企業や地域の都合に振り回されるクラブ。理念ばかりが先走り、現実にまったく追いつけないクラブ。
自分の印象では、意外にも施設は揃っていることが多い。能田 達規の「ORENGE」のような、典型的な「ビンボーが悪い」パターンではなく、クラブの成り立ちや目的に問題を内包している方が多い。誰もがプロを目指すわけではなく、ましてJ2まで含めてもプロリーグの加盟クラブ数にも限りがある。それゆえ、様々な摩擦がある。
「誰もがスポーツを楽しむ」という究極の理想を実現するには、まだ日本のスポーツそのものの地位が低い。その理想を実現するための過程が、地域リーグの現実なのだろう。本書がリポートするその厳しい現実に楽観を見るか、悲観を見るか?自分としては楽観なのだが、日本の東京や名古屋以外の地方そのもの発展がなあ・・・。

初版2008/04 東邦出版/ソフトカバー

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