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F-22A Day3rd

マクロスFの驚愕のオチをネットで先に知ってしまった。深夜アニメでも、放映日は揃えて欲しいと思う今日この頃。
F-22Aはちょっと物足りないウェポンベイに配線などしてみる。
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ハセガワの地上機材セットのホース(ビニールコード+スプリング)と、あらかじめ用意したワイヤーとかを実機写真を参考にしながらパーツに開口して通してます。位置決めとかでけっこう苦労したんですが、AMRAAMをつけるとあんまり見えない(泣)。報われないなあ。

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宇宙海兵隊ギガーズ

宇宙海兵隊ギガース 2 (2) (講談社文庫 こ 25-17)

宇宙海兵隊ギガース 3 (3) (講談社文庫 こ 25-18)

人類が木星圏まで進出した近未来。核融合の技術力と、厳しい環境の中で生まれた宗教を背景に、木星圏は地球圏からの独立を要求。地球圏はこれを拒否し、独立戦争が生起することとなる。
海兵隊に所属するエドワーズは、ヒュームスと呼ばれる人型兵器を操り、木星圏の新兵器と戦う。

リアルな宇宙空間戦闘とは、まず敵よりも軌道要素と戦わねばならず、まして惑星間ともなると、交戦は軌道が交差する一瞬だけである。こうした物理を無視しない戦闘シーンと、戦争の原因を探るミステリーを組み合わせた、バランスが取れたSFだ。一応、統合政府が成立しているものの、従来の組織の悪癖を引きずる地球側と、様々な事が革新的な木星側の対比や、唯一の超常要素である"サイバーテレパス"の存在など、設定も練られている。不満点は、登場人物にイマイチ個性が欠けることか。
"ガンダムタイプ"の物語に、宇宙の厳しさを加えたらこうなる、と言うと、著者に怒られると思うが、それだけスタンダードで、安心して読める物語である。

初版2008/07 講談社/講談社文庫

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F-22A Day2nd 

急に気温が下がったので、体がついていかない。ススキノでお腹痛くなって早めに帰る今日この頃。
そんな中、F-22Aは各ベイ・ドアなど細かい部品の塗装など。
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各部品のホワイトはガイアの限定色のギア・ホワイト。トラピーズとかいっぱいあって、もうメンドイ。
その他、モールドは超絶だが、イマイチ殺風景なウェポン・ベイ内の配線の前準備。
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0.3mmのブレス・ワイヤをレッドとブラックに塗装。ビニール・コートしてあるので、プライマーなしでラッカーがのります。
それと、キャノピーのゴールド・コーティングを表現するために、ガイアのゴールドとクリアーブラックを混色したものを吹いてみる。
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ガイアのゴールドを初めて使ったんだけど、発色が良すぎです(笑)。なんかクレオスのゴールドと粒子が根本的に違うみたい。キレイですが、実機とはかけ離れたものになってしまったので、ペイントリムーバーで落とすことになりそうです(泣)。

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F-22A Day1st

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キットを確保してからも、仕事の行方とか懸念事項があって手をつけてなかったドイツレベルの1/72F-22Aラプター。そろそろ落ち着いてきたので、久々のニューキット・レビューにいきましょう。
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ランナーは武装含めても4枚。トラぺやアカデミーの後では、少々物足りないかも。
で、さっそくパーツをサクサク切り離し、仮組みします。
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機体形状のせいもあって、あっさり完成しそうな雰囲気。
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ウェポン・ベイなど”内臓”を含めて、合いはほぼ完璧。複雑なエアインティークから続くダクトも、巧妙な分割でしっかり再現されています。ウェポン・ベイのパーツの裏がエアダクトの面の一部だったりするので、塗装の順番は少し考える必要がありますね。ウェポン・ベイとギア・ベイのドアはすべてカッターで分割する方式ですが、Pカッターでカットすれば問題はありません。
さすがのドイツレベル、値段なりの仕事はしてます。勝負は塗装になりそうです。あのシルバーがかったグレー、組み立てに取り掛かってもどうしようか迷ってます。

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F-15C Completed

ハセガワ1/72ボーイングF-15Cイーグル"KadenaZZ"、完成しました。
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F-15Cは1970年代にアメリカ空軍に配備の始まった制空戦闘機です。いまだ実戦では撃墜されたことがない、”最強の戦闘機”ですが、機体フレームの老巧化に伴う空中分解事故の発生など、確実に年月が過ぎていることを感じさせます。
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ハセガワの1/72は特別デカールの入った限定版キット。基本的にはスジ彫りの良キットですが、機首部分と主胴体部分の接着など段差ができるなど、それなりに手強いキットです。それと、毎度のことながら主翼と胴体の継ぎ目消しがうっすらと残してしまいました。このへん、アカデミーからF-15Kあたりが出るなら、分割を改善してほしいものです。
その接着線消しのためのサンディングからスジ彫りを復活させるため、今回は新兵器のスジボリ堂の0.15mmタガネで使用。切れ味が良すぎてスジ彫りを深くしてしまい、スミ入れ時にスミが入り過ぎるミス。最近、エッジが甘くなるのを嫌ってサーフェサーを使ってなかったんですが、こういうときは使うべきですね。
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塗装は嘉手納基地に配備されている44thFSを再現。空自のF-15Jよりかなりダークなカウンターシェイドです。ハセガワの塗装指示は濃いグレーがC307(80%)+C305(20%)、淡いグレーがC308(70%)+C317(30%)となっていますが、実際は濃いグレーはもう少しブルー感が強いのかと。実機写真ではかなり塗り分けがハッキリしているので、型紙を貼って塗り分けています。
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キットのエグゾーストノズルは非常に組みづらい上にモールドが甘いので、アイリスのアフターパーツを使用。やはりモールドのできが違いますね。千歳で見た実機を参照し、ノズルはクレオスのスーパーアイアン+ブラック、後部胴体はメッキシルバーを吹きましたが、ピカピカ過ぎたため、フラットを少し吹いて落ち着かせています。
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実は今回、最後の仕上げにクレオスのスーパークリアー(つや消し)を吹いたのですが、どうにも違和感があったので、クリアーを吹き直して半ツヤぐらいにしています。HME2008でつや消しした完成品を見てマネしようと思ったのですが、何が違うのか、どうも違和感がある。ツヤをどうするか、基本的なことですが、難しいっすね。

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書評<天の光はすべて星>


ときは1997年、人類は火星まで到達していたのにも関わらず、星々への情熱を失っていた。事故で片足を失った宇宙飛行士のマックスは、悶々とした日々を送っていたが、木星探査計画を公約に立候補した女性上院議員の存在を知った時、それに賭ける決意をする。


原著は1953年の古典。なので2008年現在で火星有人飛行は実現していないし、ジェット機のほかにロケットで世界の空路が拓かれてもいない。だが、共産主義の崩壊や宇宙開発の停滞など、奇妙に予言的なところもある。
その著者が想像する未来で描かれるのは、”星屑”と呼ばれる星に取りつかれた者の姿だ。57歳のという老境に差しかかりつつも、目的に突き進んでいくその姿は、ロケットの開発には手段を選ばなかったフォン・ブラウンほかあまたの技術者や厳しい選抜に挑むアストロノーツの姿に重なる。だが、相対性理論を乗り越えても星々にたどり着こうとするその情熱ゆえ、せつないラストを迎えてしまうのもまた皮肉である。

「天元突破グレンラガン」のラストでそのタイトルを知った時から読みたかったSFの復刊。後書きはその「グレンラガン」の脚本家。完全にハヤカワの策略に嵌まってるな、オレ(笑)。

復刊2008/09 早川書房/ハヤカワ文庫SF

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F-15C Day5th

昨日の潜水艦の領海侵犯事案、ニュースを初見した時は「発見された潜水艦の艦長の方が恥だろ」と思ったのだが、地図を見て思い直した。まさに豊後水道で海峡封鎖やるパターンの行動。おそらく中国海軍なんだろうけど、潜望鏡深度とは、挑発してくるなあ。自民党に総裁選に出馬した石破タンの援護射撃か?

そんなことを思いつつ、F-15Cはスミ入れ及びデカール貼り。
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タガネで彫り直したスジ彫りが深くて、エナメルが入りすぎ。デカールがやや痛み気味なので、クリアーにて塗面を整えたのですが、やり過ぎでツヤが出過ぎ。以上の2点で、ややうるさい仕上がりになりそうな感じ。うーん、タガネの使い方は次作でもう1度学習ですね。
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それと、垂直及び水平尾翼の接着面強化のため、支柱を0.7mmの真鍮線の交換。
さて、平和だった連休もお終い。気を引き締め直しましょうかね。

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F-15C Day4th

今日の札幌航空ページェント、素で忘れてました。仕事の細かいスケジュール以外は、カレンダーにメモしなくても大丈夫な自信があっただけに、ヘンにショック。記憶力、減退してるなあ。
で、朝っぱらからF-15Cの全体塗装をやってました。
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沖縄のF-15Cに限らず、10年前くらいから?見られるようになったダーク・ゴーストグレイ(正式にはなんて言うんだろ?)のカウンターシェイド塗装。ハセガワの塗装指示は濃いグレーがC307(80%)+C305(20%)、淡いグレーがC308(70%)+C317(30%)となっていますが、ボックスの写真とにらめっこしながら、目分量で合わせてます。
塗ってみると思ったより明度の差が少なく、フリーハンドでは迷彩がボケ過ぎるために型紙を貼って塗装しています。
うーん、消したはずの主翼の接着線がいつの間にか出ちゃってるなあ。ここで修正すると大ごとになるので、ここはそのままいきます。

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F-15C Day3rd

数年前からどうも眠りが浅い。ハルンケアでも飲んでみようかね(笑)。
そんなこととは関係なく、F-15Cは細かい部品の塗装。
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マスキングしながらの1日仕事。そんでもってエクゾーストノズルはこんな感じ。
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千歳ABで見てきた実機を参照して、クレオスのスーパーアイアンメタリックにブラックを加えて”黒光り”を狙ってみた。写真じゃうまく写らないけど、自分じゃちょっといい感じ。ただし、これはアイリスじゃないと映えない感じかも。
明日は全体塗装いきます。

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書評<アフリカ・レポート>


「カラニシコフ」で”貧者の戦争”をレポートした著者が、アフリカの現状をレポートしたもの。いずれも初出は新聞や雑誌の特集だが、ジンバブエと南アメリカを中心にアフリカの現状をよく伝えている。

ジンバブエは「160000%のインフレ」として日本のネットでも話題になった。独立前は豊かな農業国だったジンバブエが独裁者の悪政で、あっという間に失敗国家へ。
もともと地下資源豊かな南アフリカはアパルトヘイトを打倒し、理想の国家を目指すはずが、犯罪率は上がっていくばかり。

独立当初から内戦を繰り返してきた国家だけでなく、少なくとも貧困とは無縁のはずだった国さえも、今や総崩れの模様を呈している。いずれも政治指導者の腐敗が原因だ。国家とは関係なく、親族や部族を優先する指導者たちが、国家を食い物にしていく。そうして不安定になったアフリカの国々に、フランスや中国が入り込み、国民に豊かさをもたらすはずの資源を根こそぎ奪っていく。

過酷な植民地支配の後、宗主国が部族とは関係なく、自分たちの都合で引いた国境線。東西冷戦のさなかの代理戦争のおかげで、大陸に溢れる小火器。アフリカの貧困を欧米諸国に求めるのは簡単だ。だが、それでは一歩も前に進まない。政治指導者たちの腐敗は彼ら自身の責任だ。
もはや政府の名乗るのもおこがましい政治家や役人たちにまかせてはおけないとのことで、本書の最後には民間の地道な援助やアフリカに進出した日本の経営者たちの姿がレポートされている。ただ、そうしたわずかな成功例を希望の光にするしかないのが、アフリカの現状だ。

豊かな地下資源を求めて、日本もアフリカへのコミットメントを強めるべきだ、という意見の方もいるだろう。だが、正しいか正しくないかはべつとして、中国のごとく末端の工場労働者にいたるまで”輸出する”ことが日本にできるか?フランスのごとく、えげつない外交をお人よしの日本にできるか?本書を読むと、そう考えざるをえない。

初版2008/08 岩波書店/岩波新書

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書評<トンデモ偽史の世界>


歴史は改竄されるものである。それは戦争の勝者により、独裁者により、あるいは個人の思想信条によって。本書は、ちまたに溢れる偽の歴史を集め、それがどのような意図を持って形成され、いかに間違っているかを解説する。一目で”トンデモ”と分かるものから、まことしやかにささやかれる”真実”の振りをしたもの、国家による歴史改竄から個人の”犯罪”であるものまで、そのすそ野は広い。

本書で面白いのは、「あの常識は間違っていた」みたいなトリビア的なものよりも、偽史が形成される過程や、偽史を作り出す人々の人物像の解説の方だと思う。国家や個人が偽史を作り上げるのは、自分たちの行動を正当化するためであり、自分たちの権威を高めるためである。学会の常識を乱すくらいならかわいいものだが、往々にしてその向かう先は危険だ。ナチスしかり、オウム真理教しかり。それは陰謀論を信じ込むことにも似ている。”歴史は改竄されるもの”であるが、それでもなお真実を見つけだし、冷静な目でみることがいかに大切であるかを本書は教えてくれる。

というわけで、「トンデモ」シリーズに名を連ねるにはもったいないくらいの本である。しかし、「トンデモ」がついていないと売れないんだろうな。オレだって「トンデモ」がついてたから本棚から手に取ったんだし。タイトル命名は難しい。


初版2008/09 楽工社/ソフトカバー

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書評<日本に足りない軍事力>


ミリオタに絶大な信頼をおかれているエバたんの最新刊。近年の世界情勢の変化や、それががもたらす国際貢献の必要性などにより、世界中の軍隊が変貌していくなかで、自衛隊に足りないものとは何かを指摘する。本書は①弾道・巡航ミサイル防衛、②長距離攻撃能力、③空対地精密攻撃能力、④パワープロジェクション能力、⑤宇宙戦・サイバー戦能力の5つの分野において、世界の軍隊(主にはアメリカ)がどのように対応し、自衛隊はそれに対してどのように対処しようとしているのか(あるいはしていないか)が詳細に解説される。

”自衛隊に足りない戦力”なので当たり前なのだが、ないない尽くしで悲しくなってくる、というのが率直な感想。日本の憲法や政治姿勢を変えないとどうにもならないことが多いのも確かだが、自衛隊自身も兵器開発や採用においてまだ”遠慮”があるのも確か。さらに、陸海空の統合運用をはじめとして”できることもやってない”ことも確かである。例えば、自分らは”島嶼防衛を訓練する西方普通科連隊”の画像をみるだけで”自衛隊が変わった”と満足するが、著者は護衛艦の艦砲射撃による援護、攻撃機によるCAS(近接航空支援)の訓練もやるべきだと指摘する。まったくの正論だ。

自衛隊はもともと軍縮中で予算がキツイうえ、原油高騰で訓練縮小の動きもある。だが、1つでもエバたんが指摘する事項の改善を目指してほしいものだ。

初版2008/09 青春出版社/青春新書

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F-15C Day2nd

札幌といえど残暑が厳しい中、F-15Cの次の作業はペーパー掛けで消えた凹彫りの彫り直し。
今回は新ツールのお試し。HME2008で販売されていたBMCさんのタガネ(0.15mm)を使ってみました。”タングステンの逸品””日本の職人技””限定品”という謳い文句に負け、参加したMMDのメンバーのほとんどが買ってしまったものです(笑)。
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普段はハセガワのトライツールのケガキ針とエンクレーバーを使っていますが、それと比べると確かに切れ味は抜群です。薄いテンプレートだとテンプレートを巻き込んでガリガリやってしまうほどなので、写真のように厚いダイナモテープの方が相性がいいようです。とはいえ、魔法の道具ではないので、「焦らず、浅く何度もスジ彫る」基本はかわりません。それができれば苦労はないのですが。
それと、今回はアイリスのレジン製のノズルを使う。リッチ・モデリング。
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これは精密さへの追及というより、キットのノズルの組み立てがあまりに面倒なためです。だって、キレイな円形になんないんだもん(泣)。このアイリスのノズルでも、ダイバージェント・ノズルのアームを接着するのに1時間かかりましたが。

さて、来週末はエアブラシ吹く気分になるくらい、気温と湿度が下がってくれることを祈ります。

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F-15C Day1st

勤めている会社の決算が近く多忙になり、さらにHMEの開催時期が前倒しされるなど、ちょいとバタバタしていて、珍しくプラモに触る時間がなかったこの頃。自分の場合、期間を開けてしまうとテンションが落ちるので、無理矢理でも作り続けます。
というわけで、ずっと作りたかった濃いゴーストグレイのカウンターシェイド塗装のF-15Cをスタート。
ちょうどアイリスのレジンのジェットノズルも手に入ったので、楽しそうな艦船祭りの前にやっつけましょう。
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というわけで、パーツの切り出しと機体本体の組み立てから。ハセガワの1/72イーグルは相変わらずハードなヤスリがけが待ってました。パーツと一緒に爪をヤスって、深爪状態になり痛い(笑)。アカデミーに新金型でF-15Kを期待しているのですが、せめて主翼上面は胴体パーツと一緒にしてくれ、とリクエストしたいです。ここのところ、サフ吹きなしで塗装していたのですが、これには必要そうだ。

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書評<零式>

舞台は架空の歴史を重ねた日本。アメリカ本土への”特攻”への報復として激しい核攻撃を受け、現実より植民地化されている。その管理された社会ゆえ、噴き出す国粋主義。
そんな社会の中で、主人公の少女は原始駆動機(リニアカー=外燃駆動機が一般化されたため、内燃機関がそう呼称される)を駆り、内なる破壊衝動を燃焼させる。彼女は荒廃したストリートで命を削りながら、管理社会を体現する”壁”を突き崩す術を探す。


ライトノベルという言い方は好きではないが、あえて言えば”ヘビーなライトノベル”。舞台設定や暴力的・性的な表現は”重い”が、物語の基本は”ガール・ミーツ・ガール”というライトノベルのスタンダードである。スピード感を強調した文章は、けっこうな量のページを急速に消化させる。ある意味で実験的な文章も数多く散見されながらも、それなりに説得力を持つ。
過酷な運命を背負った少女の焦燥。時代遅れのマシンで、最先端の冷たいテクノロジーに挑戦するときの高揚。戦争に侵された人間の狂気。そうした感情をラストに向かってマックスに持っていく著者の手腕はなかなかのものである。

初版2007/01 早川書房/ハヤカワ文庫JA

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書評<反米主義>


訳知り顔のニュース番組のコメンテーターが世界情勢を語るとき、いつも言われることの1つが「アメリカの力は落ちている」である。だが、相も変わらずアメリカは経済・政治ともに世界の主役だ。それゆえに世界はアメリカに対し愛憎を交錯させる。その”憎”が反米主義である。
本書ではまず、反米主義の定義を明確化する。”反日感情”はあっても、”反日主義”はない。それはアメリカの国策に普遍的な”正論”が必ず存在しているからである。自由と平等の尊厳は誰も反対できない。”グローバリズム”だって、「あなたの買っている製品は不当に高い」と甘い声で我々にせまってくる。欧州諸国では伝統を、中東諸国においては宗教を突き崩すように、”アメリカニズム”は土足で他国へ侵入していく。しかしながら、それによって多くの国で内部が混乱させられ、また多くの場面で”アメリカのダブルスタンダード”が噴出する。そのことがアメリカへの反感を招く。
後半は日本における反米主義の研究である。いわゆる左翼の人たちが反米主義なのはまあ当たり前だが、保守の人たちにも、主に人種差別に根ざした反米感情が存在する、と本書は定義する。だが、戦中派はともかくとして若い人に人種差別が存在するのかな?とは個人的に思う。日本の場合は、いわゆる知識人の反米主義と大衆に染み込んだ資本主義がかい離しているのが現状であろう。
本書はこの2本の柱で構成されるが、著者はおそらく親米派のため、感情的にならずに、また陰謀論的にならずに反米主義が説明されているのではないかと思う。その意味では、フラットに反米主義を説明できているのではないだろうか。

アメリカが介入する武力行為について語るとき、その原因を石油をはじめとする”利権”で説明されることが多い。だが、むしろアメリカが掲げる”理念”の方が開戦を決定する大統領に大きく影響しているのではないかと思う。”アメリカの理念”と世界各国の”理念”が一致しないこと、世界唯一の正義でないことを多少なりともアメリカ国民が理解しない限り、反米主義はなくならないだろう。

初版2008/08 講談社/講談社現代新書

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