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2008.09.16

書評<天の光はすべて星>


ときは1997年、人類は火星まで到達していたのにも関わらず、星々への情熱を失っていた。事故で片足を失った宇宙飛行士のマックスは、悶々とした日々を送っていたが、木星探査計画を公約に立候補した女性上院議員の存在を知った時、それに賭ける決意をする。


原著は1953年の古典。なので2008年現在で火星有人飛行は実現していないし、ジェット機のほかにロケットで世界の空路が拓かれてもいない。だが、共産主義の崩壊や宇宙開発の停滞など、奇妙に予言的なところもある。
その著者が想像する未来で描かれるのは、”星屑”と呼ばれる星に取りつかれた者の姿だ。57歳のという老境に差しかかりつつも、目的に突き進んでいくその姿は、ロケットの開発には手段を選ばなかったフォン・ブラウンほかあまたの技術者や厳しい選抜に挑むアストロノーツの姿に重なる。だが、相対性理論を乗り越えても星々にたどり着こうとするその情熱ゆえ、せつないラストを迎えてしまうのもまた皮肉である。

「天元突破グレンラガン」のラストでそのタイトルを知った時から読みたかったSFの復刊。後書きはその「グレンラガン」の脚本家。完全にハヤカワの策略に嵌まってるな、オレ(笑)。

復刊2008/09 早川書房/ハヤカワ文庫SF

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