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2008.09.08

書評<日本に足りない軍事力>


ミリオタに絶大な信頼をおかれているエバたんの最新刊。近年の世界情勢の変化や、それががもたらす国際貢献の必要性などにより、世界中の軍隊が変貌していくなかで、自衛隊に足りないものとは何かを指摘する。本書は①弾道・巡航ミサイル防衛、②長距離攻撃能力、③空対地精密攻撃能力、④パワープロジェクション能力、⑤宇宙戦・サイバー戦能力の5つの分野において、世界の軍隊(主にはアメリカ)がどのように対応し、自衛隊はそれに対してどのように対処しようとしているのか(あるいはしていないか)が詳細に解説される。

”自衛隊に足りない戦力”なので当たり前なのだが、ないない尽くしで悲しくなってくる、というのが率直な感想。日本の憲法や政治姿勢を変えないとどうにもならないことが多いのも確かだが、自衛隊自身も兵器開発や採用においてまだ”遠慮”があるのも確か。さらに、陸海空の統合運用をはじめとして”できることもやってない”ことも確かである。例えば、自分らは”島嶼防衛を訓練する西方普通科連隊”の画像をみるだけで”自衛隊が変わった”と満足するが、著者は護衛艦の艦砲射撃による援護、攻撃機によるCAS(近接航空支援)の訓練もやるべきだと指摘する。まったくの正論だ。

自衛隊はもともと軍縮中で予算がキツイうえ、原油高騰で訓練縮小の動きもある。だが、1つでもエバたんが指摘する事項の改善を目指してほしいものだ。

初版2008/09 青春出版社/青春新書

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Comments

あ、この本が出たのは知りませんでした。
ご紹介ありがとうございます。
エバケンさんの本、
説明がわかりやすいことと、
イデオロギーがかっていないこと、
それに主張が明確なことが好きなんです。

>みに・ミーさん
エバケンさんは日本では数少ない、本物の専門家ですよね。イデオロギーもそうですが、「装軌か装輪か」なんてことにもニュートラルです。はやく、後継者も現れてほしいところです。

私もど素人ながら、テレビなどに出演されていた江畑さんの解説の詳しさ、知らないこと、自分の専門ではないことに対してはきちんと「知らない」と表明できる人柄に惹かれていました。
一度著作を読もうと思っているうちに他界されてしまいました。寂しい限りです。
遅まきながら、本書を読みました。何処まで理解できたか不明ですが、氏が指摘していたことはとても理解しやすく、また的確だったように思います。

根津

>根津幸夫さん
こんばんは。江畑さん亡き今、本当に信頼できる軍事評論家が非常に少ないのが現状です。氏のリサーチ能力に匹敵する後継者は、とうぶん出てこないでしょうね。
あらためて、ご冥福を祈ります。

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