書評<属国の防衛革命>
<たかじんのそこまで言って委員会>にて、質問に常に鼻で笑ってから答え、常に上から目線でものを言うその態度で衝撃を与えた太田 述正氏。本書は氏のブログから目ぼしいものを抜き出し、また軍事評論家の兵頭二十八氏のコラムにてそれを補足する形でまとめたものである。
官僚と業者の癒着を批判しながら、一般人が想像する官僚そのものの態度をとる氏の安全保障理論とはどんなものか?それを知りたくて手にとってみた。
戦後の日本は吉田ドクトリンと呼ばれる、”安全保障より経済”ドクトリンを採用し、自らアメリカの属国となることを選んだことをまず確認する。ソ連という脅威があった冷戦時代はある意味、幸せだった日本だが、それが崩れた今、そのドクトリンのままでいいのか?氏の問いかけはここから始まり、そのドクトリンの産物ともいえる官僚体制の批判、さらに氏の世界情勢の分析が続く。
正直さして目新しいことはないし、個人的には異論はあるが、さほど現実離れしていない意見がほとんどだと思う。なのに、なぜあれほど異端の人に見えるのか?人や世間に接する態度や、分かりやすい説明がいかに大切か、非常によく分かる。書評になってないですが、それが正直な感想です。
初版2008/09 光人社/ソフトカバー
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