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2008.11.30

書評<とらドラ!1~9>


アニメが望外に面白かったため、原作も読んでみた。
学園ラブコメということでおっさんの自分に感情移入できるか?と読む前に思っていたのですが、そんな心配はどこへやら、一気読みしてしまいました。巻が進むごとに文章が軽妙に、登場人物のキャラが立つようになり、それを生かしたドタバタ劇が続くのかと思えば、最近の巻ではしっかりとシリアス展開となる。人間の心のマイナスの部分や親からの自立、進路など、このてのラブコメが逃げるか、もしくはあっさり流してしまいがちなところをしっかりと描いている。なるほど、売れるわけが分かります。


主人公の友達に「国語だけは勉強しなくても異常にできる子」がいるのですが、まさに自分がコレ。高校時代は自分のプライドの1つだったんですが、ライトノベルの脇役に配置されるほど、ありがちな特徴であることを36にして初めて知る。なんだかガックリきた。

初版2006/03 アスキー・メディアワークス/電撃文庫

2008.11.29

AC-47 Day6th

最近、モデリング中のBGMはFMラジオなんだけど、ランキング番組で”今週のベスト1”がガンダムOOの主題歌だったのには、さすがに時代が変わったと思いました。マジでCDって売れなくなってるんすね。
そんななかで、AC-47はアンテナなどウォッシング後、アンテナなど細かいパーツを取り付け。そしてデカール貼り。
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アンテナ類は一部を除いてダボなどなく、ましてイタレリの説明書に正確な位置など記してあるはずもなく、箱絵を見ながらまったく適当に接着。ストレート基本ですがホイップアンテナだけはあまりに気になったので、0.3mmの金属線に交換してます。
それにしても、イタレリのデカールって、無駄に質がいい。プロペラのフラットブラックのざらざら塗面に、ちょっとデカールセッターを足すだけで、シルバリングと無縁。このへんは、某国産メーカーにも見習ってほしいものです。

2008.11.28

AC-47 Day5th

mixiには少し書きましたが、この厳しいご時勢に臨時ボーナスをいただきましたので、さっそく内需拡大をはかるべく消費に回して、社会に貢献することにしました。
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今までタミヤのレボ及び付属のシングルアクションのエアブラシを使用していましたが、システムを刷新。クレオスのコンプレッサー・セットが10月より値上げとのことで、某文教堂でL5セットの店頭在庫を確保。さらに皆様のアドバイスに従い、口径0.2mmのエアブラシを追加購入。新発売のフォルダを追加して、2本のエアブラシを使い回せるようにセット。他のメーカーや機種など、いろいろとアドバイスをいただいたのですが、クレオスとタミヤ以外のエアブラシはなんとなく敷居が高く(値段はむしろ安かったりするのですが)、首都圏を遠く離れているためにメンテナンスなど考えてメーカーを統一しました。
さらにクレオスの塗装ブースはミストガードと下敷きを取り寄せて交換。塗装関係のデスクは心機一転です。
それを早速、AC-47にて試します。
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どんなに便利な道具でも、やはり使いこなしには少々慣れが必要。吹き始めはダブルアクションになじめず。これは自分にも原因があって、左利きを鉛筆と箸だけ右に矯正しているのため、エアブラシのような”鉛筆”持ちする器具は右を使うのですが、新しい道具には練習が必要なんです。矯正自体はむしろ親に感謝しているのですが、こういうときはやっぱり矯正はしちゃいけないのかな、と思います。
話がずれましたが、AC-47のSEA迷彩はパネルラインに陰影をつけるためにフラットブラック、下面をH311グレー、マスキングして後はフリーハンドでブラウンとグリーン2種を吹きつけるセオリー通りの塗装順。
初めはなんかヘンなスポットを作ったりして使いこなせなかったダブルアクションも、3色目にブラウンを吹くころには慣れてくる。そして0.2mmの性能に驚嘆!口径が0.1mm違うだけで、なんと細吹きのしやすいことよ。アドバイスくれた方全員が「0.2mmを買っとけ!」と言った訳が分かります。
そしてメンテナンスも楽。3年使ってパッキンも緩んだエアブラシと比べるのも無理がありますが、シンナーうがいの回数も少なく済み、吐出口のクラウンも汚れにくい。いい買い物をしました。

なんか嬉しくて、マスキングも全部剥がしてウットリと見ていた時に、デカール貼ってクリア吹くのでマスキングを残しておかなくちゃならないことに気づく。うーん、ちょっと浮かれすぎたかな。

2008.11.26

<となりの車線はなぜスイスイ進むのか?>


「交通」は科学である。専門家は安全確保や渋滞の解消といった問題を解決するため、様々な解析を試みる。
だが、「交通」の難しいところは、そこに「人間の不確実さ」が加わることである。そもそもが、”車の運転”というのは瞬時に様々な判断と操作が求められる、いまだ人間しかできない行為の1つだ。それゆえ、人間の感情の不安定さが反映される。
それは何も表題のような「工事車線による車線減少があったときのドライバーの感情と行動」だけではなく、無意識化の行動や、国土の発展具合によるモラルの違いなど、そのパターンは数限りない。本書はそういった交通の科学を様々な面から分析したものである。主な”想定場面”はアメリカであるが、ドライバーの感情はいずこも同じなので、日本の我々も実感を持って読むことができる。

本書の中に、事故やそれに至りそうな場面を記録する車載カメラを積んだ自動車の調査例が出てくる。サンプルとなったドライバーがその実験の主催者に「先生、このカメラを出し抜く方法を見つけたよ。周囲の状況に常に気を配って、注意深く操作するんだ」と言ったそうである。アメリカンジョークではない。結局のところ、それ以外の方法はないんだろうな。

初版2008/10 早川書房/ソフトカバー

2008.11.25

書評<「海洋国家」日本の戦後史>


タイトルにはちょっと偽りありで、何の工夫もなしにいうなら「戦後のインドネシアと日本の関係」というところだろうか。太平洋戦争後、日本の侵略と撤退を契機とした東南アジアの国々の独立へ動きと、それに呼応した日本の外交を、インドネシアとの関係を軸に追っていくものである。

東南アジア地域は”南進”した日本の撤退後、独立の気運が高まったが、民衆の望みとは関係なく宗主国は”帰還”を果たした。しかしながら、かつての植民地に高まった”独立への熱”は醒めることなく、それを押しとどめるのは難しい状況になっていた。それは当事者どうしだけの問題ではない。独立を許すにせよ、東南アジア地域のプレゼンスを失いたくない宗主国、共産主義のドミノ倒しを恐れるアメリカ、ソ連との対立の中で影響力を強めようとする中国と、地域のプレーヤーたちはそれぞれの思惑を持ってうごめく。そして日本。回復した経済力をもとに、そのゲームに参戦することになる。

第2次世界大戦後の独立を巡っては、それぞれの地域・国の数だけ、様々なドラマがあったのだろう。本書はその”インドネシア編”ともいえる。上記の複雑な状況の中、イデオロギーを棚上げにして国内開発を優先するという
”非政治化という政治手法”をもって、かの地に再び”南進”した日本。アメリカという圧倒的な力の影響を受けながらも、それなりに独自外交を進めていたことが分かる。
イデオロギーが熱い時代の歴史の面白さが味わえる著作である。

初版2008/06 筑摩書房/ちくま新書

2008.11.22

書評<情報革命バブルの崩壊>


ネットでは”アルファブロガー”の一人である山本一郎氏が、ライトでありながら物事の真相をしっかりと掴む文章で、ネットによる情報革命なるものの真実を解説するのが本書である。
本書はまず、ネットによる情報革命の実態がどんなものだったかを総括する。そのうえで、「新聞とネットの関係が現在いかなるもので、その将来はどのようなものなのか?」「ライブドアに代表される、雨後の筍のように現れたネット関連の会社がいかに金を集めているのか?」「日本に一気にADSLを普及させ、またモバイルビジネスに乗り出したネットビジネスの雄、ソフトバンクの功罪とは?」といった、ネットをうろうろしていれば必ずトピックを見かける題目を軸に、現状で崩壊一歩手前のネットビジネスの実態を明らかにする。

自由で、誰もが平等に意見を発信でき、なおかつビジネスチャンスに溢れていたはずのネットは、今やトラフィックの増加で情報量に制限がかかり始め、ビジネスは薄利で寡占が進んでいる。”革命”であったはずが結局のところ、資本主義の論理から逃れられていない。テレビなどと同じで、地上波のレベルの低い情報は無料だが、レベルの高いコンテンツが有料であることなど、ここも革命の度合は薄れている。それら革命の薄れ具合の速度からすると、まさに”バブルの崩壊”といっていいのだろう。

昨今の金融危機が起こるまで世界は金余りだったそうだ。個人的にはその恩恵を受けてないと思っていたのだが、ネットの無料あるいは低料金サービスはその金で成り立っていたそうである。このことに気づかされるだけでも、本書の価値はあると思う。

初版2008/11 文藝春秋/文春新書

2008.11.21

書評<アメリカの宗教右派>


4年前のアメリカ大統領選挙の際、ブッシュ・ジュニアの支持基盤として、日本でもにわかに注目されたのが宗教右派、あるいは福音派と呼ばれるアメリカ南部の白人を基盤とした保守層である。しかしながら、オバマ氏が当選した今回の選挙では、金融危機など大きな問題が目白押しだったこともあるが、その存在はクローズアップされることはなかったと記憶する。それは何故かと思い、本書を手に取った。
本書はまず、そもそも北米大陸への移民がヨーロッパでのキリスト教の宗教革命の結果であり、その後キリスト教の分派や布教により、どの勢力図が北米大陸に描かれるようになったかを説明する。その中で大きな勢力となった福音派が、民主党vs共和党という現実の政治に対し、どのように動いてきたか、巨大な集票マシーンとして機能するようになったいきさつが説明される。その説明は平易で分かりやすく、日本のマスコミからの情報では誤解しやすいところはより深く解説される。福音派とキリスト教原理主義者を混同や、プロテスタントとカトリックの関係など、自分もずいぶん誤解していたことに気づいた。もちろん、冒頭の疑問にも答えてくれる。
本書によると、アメリカのキリスト教会派は4000以上あるそうである。プロテスタントとカトリックの区別も曖昧な日本人には分かりにくいことこの上ないが(神父さまと牧師さまの違いがちゃんと言える人、います?)、ともかくアメリカはキリスト教の国であり、その勢力分布は今後も見守っていく必要があるだろう。本書はその入門書となる良書だ。

初版2008/07 中公新書/中公新書ラクレ

2008.11.20

書評<アフリカで食べる/アフリカで寝る>


本書は朝日新聞記者である著者の2冊の文庫を合体、再発行したもの。テレビのドキュメンタリーにもなったそうで、購入されている方も多いかも。基本的には彼が書いた新聞の短いコラムをまとめたもので、概ね1980年代中盤~1990年代中盤あたりのレポートになっている。食べ物と寝る所=住居を実体験することにより、アフリカの様々な民族の人たちに触れ、我々あるいは欧米人の価値観や常識とまったく違う様子を描き出している。
東南アジアを旅行した時には必ずハラを壊す自分からすれば、同じ日本人とは思えないほど著者はタフである。吸血住虫を恐れながらも現地の魚を刺身で食べ、日本人が口にしない肉や野菜にトライする。実食のおかげで、そのメニューの背景にある文化、貧困、民族性、歴史などがよく伝わる。また、我々は”アフリカ”と一口に言いがちだが(アメリカの副大統領候補はアフリカという国があると思っていたらしいが)、民族によってまったく異なる文化と、それとは逆に植民地支配を受けたゆえの共通性がみえてくる。

10年以上前に新聞に掲載されたコラムのまとめが2008年に再出版されて、それに掲載されたレポートが、今現在のアフリカ諸国の現状を伝えるレポートとタイムラグがさほど感じられないことが、アフリカの最大の問題であろう。

初版2008/11 朝日新聞出版/朝日文庫

2008.11.19

書評<軍事学入門>


人間が物事を見るときには必ず主観が入る。なので”客観的真実”など存在しないというのが自分の意見だ。これは歴史も同じ。何らかの”事実”があったとしても、その背景や前後の出来事などで、その捉え方、いわゆる”歴史観”は千差万別。
そんな中で、今現在のところで個人的に一番しっくりくる歴史観を提供してくれるのが本書の著者の別宮氏だ。別宮氏の歴史観の根底にあるのは「国際条約」と「官僚機構」である。「国際条約」を加盟国が守っている限りは、理論的には戦争は起きない。それを何らかの屁理屈をつけて起こすのがときの国家と指導者である。国家を運営する巨大な「官僚機構」は、各個の組織存続のために動き、いったん動き出すと止めるのは至難の業。なので国全体のことは見えていないし、「戦争計画」がいったん動き出すと開戦に向かってまっしぐらである。
このことを踏まえると、戦争がいかに始まり、そして終わらせるか?技術、民族などがいかに戦争に影響を与えるか?いわゆる”軍事学”に関することが明確になる。本書はその入門編であり、短い文章で様々な戦争の側面について説明している。

昨今、現役空幕長が政府見解と異なる論文を懸賞応募したことで解任された。彼の書いた文書は陰謀史観への傾倒・事実の利己的解釈・単純な事実誤認と「政府見解と異なる」以前の問題であった。歴史を語るときにいかなる価値観を根底に据えるのか?それくらいははっきりさせておかないと「思想・信条の自由」以前の問題である。

初版2007/06  筑摩書房/ちくま文庫

2008.11.16

AC-47 Day4th

北海道のお土産として「生キャラメル」が流行っているのはまあいいとして、”成功者”としてマスコミに出る 田中義剛にはイラっとくる今日この頃。
どうにも背中の肩甲骨あたりが痛いのだが、だらだら寝ていてもなんなので、AC-47にサフだけ吹いておく。
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rocketeerさんとこでクリア+グレーという繊細なモールド向けの下塗りが紹介してされていたのだが、イタレリの運河彫りには1000番のサフでちょうどいいやね(笑)。ただ、今回は自分的に抵抗のあったエアブラシによるサフ吹きを実行。ラッカーの時よりやや薄めに溶いて吹くと、なんのことはない、フツーに吹けました。濃度に気をつければ、低圧コンプレッサーでも詰まることはないのね。缶のサーフェサーで失敗することが多かったので、これで問題が1つ解決した感じ。はじめっから、こうすれば良かった。

2008.11.14

A-4C Day1st

イタレリのAC-47、全体の合いはいいのですが、エンジンナセルその他にやっぱりスキマがありまして、何度かパテを盛ってはサンディングの繰り返すハメになりまして(ヒロシさんのお子さんなんかあっという間にC-47完成させてるのに情けない話です)、パテの乾燥時間に同じくダグラスの名機、フジミ1/72のA-4Cを始めてしまいました。
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TA-4でもないのに何故かホワイトの成型色。傷が見えにくいし、透けちゃうしで、あんまりいいことないと思うんだけどなあ。
ともかく、サンディングに飽き気味で始めたのにも関わらず、こちらもけっこうな修正が必要。救いは、ちっちゃいので割とすぐ終わるところですね。
それにしても、1960年代の名機を作ろうと思うと、意識しなくても3機続けてダグラス社製のヒコーキを作ることになってます。ダグラス社もやはり一時代を築いたメーカーなんだなあ。

2008.11.10

書評<対テロ戦争株式会社>


左向きの方が好む陰謀論の1つに「アメリカは軍産複合体を儲けさせるために戦争を繰り返している」というものがある。これに対する反論はごく簡単で、兵器メーカーの世界規模の業界再編・統合がとどまることなく進んでいる現状を説明すればいい。マクダネルダグラスF-15イーグル、ジェネラルダイナミックスF-16ヴァイパー、リパブリックA-10サンダーボルトⅡ、ロックウェルB-1ランサーといったアメリカ空軍で主役をはる航空機を開発したメーカーは、いずれも既になく、どこかのコングリマリットの一部となっているのである。
だが、メーカーではなく、広く軍事分野に関わる民間企業まで視野を広げるといささか事情が違う。イギリスはサッチャー、アメリカはレーガン以後、軍事に関わる仕事を民間に下請けに出すことが積極的に進められ、特に対テロ戦争以後は一般にも知られるようになってきた。いわゆる民間軍事請負会社(PMC)である。
その仕事は一番目立つ要人警備から、ロジスティックスやいわゆる心理戦、諜報戦といった広い分野に及ぶようになった。それによって、軍隊がそうした仕事に直接かかわるより、費用が減少し、仕事がうまくいくならそれでもいいかも知れない。実際には多くの事項において物事はうまく運ばず、ただ経費だけかさんでいく現状がある。
本書はこうした”安全保障に関わる会社”がいかに政治に深く取り入りながら仕事を引き受け、なおかつまったく不完全な仕事をしてきたかを指摘する。イラク戦争以後、PMCが注目を集めることとなったが、本書は前記したように1980年代前半まで時を遡り、例えばイラクでのブラック・ウォーター社に関わる事件がいきなり起きたのではなく、それ相応の経過があったことを記している。

ただ、「民間(市場)にまかせれば、公務員がやるよりうまくいく」神話が軍事だけでなく、あらゆる分野で崩れていることも確かであり、こうした流れが変わるのか否か、現在がちょうど分岐点のような気もする。本書を読むと政治にがっちり食い込んでいる印象のあまたのPMCの今後がどうなるのか?我々も見守っていく必要があるだろう。

初版2008/10 河出書房/ハードカバー

2008.11.08

書評<ブラックホールで死んでみる>


”サイエンス・エッセイ”において、どこまで専門的に踏み込むか、そのさじ加減は難しい。日常の常識になっていることを論じてもさほど感銘を与えないし、かといってあまりに難解だと、読み進むこともできない。題材が天文学や物理となると、他分野に増してその判断は困難だと思う。
その点、本書は非常にバランスが取れたエッセイだ。例えば、太陽の中心で核融合が起こっていることは、中高校で理科を普通に履修していれば知ってることだ。だが、核融合の結果としてそのコアから発するガンマ線が、太陽そのものから脱出するのに百万年かかることをご存じだろうか(ちなみに太陽から地球までは8分)?そのガンマ線が太陽の中の多くの中性子や陽子と衝突することによりエネルギーを失い、可視光線まで周波数を落とすことは?著者はこうした基本的知識プラスアルファの興味深い宇宙論を我々に展開してくれる。
本書は専門誌連載からのピックアップなので、その扱う分野は幅広いし、ただ単に天文学や宇宙論だけでなく、科学と宗教の関係にまで話は広がる。その一つ一つが興味深いし、まだ仮説である理論は仮説であるとしっかりと記している点は良心的だ。
天文学を中心とした科学的視野が拡がる良書である。

初版2008/10 早川書房/ハードカバー

2008.11.07

書評<エイリアン・テイスト>


ユカイア・オレゴンは失踪人専門の市立探偵だ。彼は失踪した人間のかすかな痕跡から、その後を追跡する特殊な能力の持ち主であった。彼自身も、その能力の由来が狼に育てられた過去にあったと思っていたのだが、その能力は、地球規模の災厄に関係していた。


”普通以下の人間”から、超常の存在への変身を妄想するとき、アメリカでは”人間の姿をした、人間ではない何か”に結びつくのに対し、日本では”自分の延長となる巨大ロボへの搭乗”へ結びつく・・・とかありがちなことを書こうと思ったんですが、日本にも伝統の”魔女っ子シリーズ”がありましたね。
ともかく、本作品は「スーパーマン」から連綿と続く”超人”の系譜上にあるフィクション。後書きを読むと、著者の他の作品には日本のアニメの影響が色濃く見られるそうだが、本書はむしろアメリカの伝統の方を感じる。主人公がその能力の割にはメソメソしていたり、そのくせ女をしっかり口説くし、と個性は感じられるものの、正直な話、ドラマのノベライズかと思うほど、あまり厚みが感じられない。アメリカ版ライトノベル、という感じでしょうかね。

初版2008/10 早川書房/ハヤカワ文庫SF

2008.11.02

AC-47 Day2nd

一般紙のサイトでアオシマの痛車の記事ですよ、奥さん。ヒコーキのメーカーに、アイマスネタあたりで悪ノリにのっかる度胸があるか?それが気になる今日この頃。
そんでもって、AC-47は機体を一気に土の字に。
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合いに問題はありませんが、ナイロンバンドで締めてしっかり固定。主翼が案外とデカイのでビックリ。主翼面積が小さい戦闘機ばっかり作ってると、こんな基本的な違いが新鮮です。主翼は下面が両エンジンポッドまで一体の中央翼と左右両外翼、上面が胴体部分からの左右一枚板の部品の構成。胴体との接合部にダボなどがないので接着に不安がありましたが、合いが非常に良いので、多めのプラ用接着剤と瞬着を流し込んで強化すれば、ガッチリ固定できます。接着後のヒケとかあんまり気にしないでサクサク進行させるのが常ですが、さすがにこの大きさは時間を取って固定具合の様子を見ます。
エンジン部分はカウリングを仮止めして、こんな感じ。
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ハセガワA-1Hを作った後だと、どうしてもモールドがダルな感じが否めないのですが、塗装してやれば十分、雰囲気出てます。
問題はマスキング。窓から突き出たガトリング砲の銃身をうまいことマスキングできるアイデア、募集中です。

2008.11.01

AC-47 Day1st

「涼宮ハルヒの憂鬱」関連のミニフィギュアはいろいろあるが、キョンや小泉くんをアソートに入れて、それを喜ぶ購入者がいるのか?そこを問いたい今日この頃。

そんなことには関係なく、A-1Hに続く、「ローリング・サンダー」モノを始めます。お題はコレ。
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ベトナム戦争で生まれた作戦機の一つ、ガンシップの祖であるAC-47"Spooky"。傑作機中の傑作機であるものの、古典機の域に入りつつあったダグラスC-47にミニガンを積み込み、火力でベトコンを蹴散らす凶悪な機体です。
キットはイタレリの/72の限定版。スジ彫りが太い”イタレリ・スタンダード”ですが、ようちう氏によると合いは抜群とのことなので、ストレートでサクサクいきましょう。
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インストの指定どおり、キャビンをC309グリーン、コクピット付近をC317グレーでエアブラシ塗装。その後、M134 7.62mmミニガンのバレルをクレオスのスーパーメタリックのアイアンで吹くついでに、ツインワスプ・エンジンを塗装。メタリックを吹いたついでに排気管をカッパーで塗装。塗装効率から逆算した工程なので、なんだかとりとめのない状態の連休1日目。

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