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2008.11.22

書評<情報革命バブルの崩壊>


ネットでは”アルファブロガー”の一人である山本一郎氏が、ライトでありながら物事の真相をしっかりと掴む文章で、ネットによる情報革命なるものの真実を解説するのが本書である。
本書はまず、ネットによる情報革命の実態がどんなものだったかを総括する。そのうえで、「新聞とネットの関係が現在いかなるもので、その将来はどのようなものなのか?」「ライブドアに代表される、雨後の筍のように現れたネット関連の会社がいかに金を集めているのか?」「日本に一気にADSLを普及させ、またモバイルビジネスに乗り出したネットビジネスの雄、ソフトバンクの功罪とは?」といった、ネットをうろうろしていれば必ずトピックを見かける題目を軸に、現状で崩壊一歩手前のネットビジネスの実態を明らかにする。

自由で、誰もが平等に意見を発信でき、なおかつビジネスチャンスに溢れていたはずのネットは、今やトラフィックの増加で情報量に制限がかかり始め、ビジネスは薄利で寡占が進んでいる。”革命”であったはずが結局のところ、資本主義の論理から逃れられていない。テレビなどと同じで、地上波のレベルの低い情報は無料だが、レベルの高いコンテンツが有料であることなど、ここも革命の度合は薄れている。それら革命の薄れ具合の速度からすると、まさに”バブルの崩壊”といっていいのだろう。

昨今の金融危機が起こるまで世界は金余りだったそうだ。個人的にはその恩恵を受けてないと思っていたのだが、ネットの無料あるいは低料金サービスはその金で成り立っていたそうである。このことに気づかされるだけでも、本書の価値はあると思う。

初版2008/11 文藝春秋/文春新書

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