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2008.11.21

書評<アメリカの宗教右派>


4年前のアメリカ大統領選挙の際、ブッシュ・ジュニアの支持基盤として、日本でもにわかに注目されたのが宗教右派、あるいは福音派と呼ばれるアメリカ南部の白人を基盤とした保守層である。しかしながら、オバマ氏が当選した今回の選挙では、金融危機など大きな問題が目白押しだったこともあるが、その存在はクローズアップされることはなかったと記憶する。それは何故かと思い、本書を手に取った。
本書はまず、そもそも北米大陸への移民がヨーロッパでのキリスト教の宗教革命の結果であり、その後キリスト教の分派や布教により、どの勢力図が北米大陸に描かれるようになったかを説明する。その中で大きな勢力となった福音派が、民主党vs共和党という現実の政治に対し、どのように動いてきたか、巨大な集票マシーンとして機能するようになったいきさつが説明される。その説明は平易で分かりやすく、日本のマスコミからの情報では誤解しやすいところはより深く解説される。福音派とキリスト教原理主義者を混同や、プロテスタントとカトリックの関係など、自分もずいぶん誤解していたことに気づいた。もちろん、冒頭の疑問にも答えてくれる。
本書によると、アメリカのキリスト教会派は4000以上あるそうである。プロテスタントとカトリックの区別も曖昧な日本人には分かりにくいことこの上ないが(神父さまと牧師さまの違いがちゃんと言える人、います?)、ともかくアメリカはキリスト教の国であり、その勢力分布は今後も見守っていく必要があるだろう。本書はその入門書となる良書だ。

初版2008/07 中公新書/中公新書ラクレ

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