書評<俺の妹がこんなに可愛いわけがない1~2>
<BARSERGAさん推奨>
成績優秀、運動神経抜群、ティーンズ誌のモデルになれるほど容姿端麗。パーフェクトな女子中学生である”オレ”の妹だが、隠れオタクであった。思春期特有の仲の悪い兄妹だが、あることをきっかけに妹の趣味に関わることになっていく。
基本的にはツンデレな妹と、ことさら平凡を好みながらも妹を助ける兄をニヤニヤしながら読む物語であるが、大きく2つのバックボーンが見える。1つは地方のオタクへの”ガイド本”のような面があること。1巻目のオフ会、2巻目のコミケと、地方の孤独なオタク(まあ、中高のころの自分ですが)にとってはいい感じのレポートである。もう1つは親バレ、友達バレをどう乗り越えていくかということである。オタクに対する偏見の目も薄れてきたし、大人になれば開き直りもするだろうが、まだまだ中高生にとっては厚い壁であろう。主人公の兄妹の父親をことさら厳格な警官、妹をモデル(一番オタクと相容れない人たち)にしているのも、自己肯定のドラマと意味を盛り上げるためであろう。
なかなかにいろいろと考えられたライトノベルだ。
初版2008/08 アスキーメディアワークス/電撃文庫
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