書評<平成宗教20年史>
平成に元号が変わって気がつけば20年。世界情勢、経済状況など、世界が揺れ動く20年でもあった。そんな中で日本では、オウム真理教はじめとした新興宗教のニュースが途切れなく続いている。宗教学者として、オウム真理教や統一教会、創価学会に直接・間接に関わった著者が、平成20年までの新興宗教と日本社会のかかわりを年代ごとに記録、分析したものが本書である。
自分が新興宗教というものに興味をもったのは1990年。高校3年の夏休みに悪友たちと勉強すると称し、田舎の公民館の談話室でワイドショーを見まくっていた。もちろん話題の中心はオウム真理教。以来、新興宗教にワイドショー的な興味を持ち続けているが、確かに新興宗教の話題が尽きることはない。本書は主に”年代記”といえるものなので、それぞれの分析はさほど深くはないが、社会状況の変化の中でどのような新興宗教が台頭しているのか、各々の宗教にどんな人がハマっているのかなど、スピードが速い時代だけに、その変化は興味深い。
ただし、各々の宗教と著者本人の関わりを文章に入れ込む必要があったのかは疑問。その方が解説書としての新書らしくなったとおもうのだが。
初版2008/12 幻冬舎/幻冬舎新書
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