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2009.01.17

書評<無宗教こそ日本人の宗教である>

一般に日本人は宗教に鈍感というか、無節操である。よく言われるように結婚式では教会で賛美歌を歌い、葬式ではお経を唱え、初詣では神様に無病息災をお祈りする。数々の新宗教にのめりこむ人がいると同時に、大多数はそれを嫌悪する。こうした日本人特有の宗教観はどのように形成され今に至るのかを解き明かす。そこからさらに、なぜ日本人が”無”宗教にこだわるのか、またキリスト教とイスラム教の本質的な違いを、神道と仏教の違いと重ね、著者独特の観点から説明していく。

「水田」という集中的なマンパワーを要する耕作を中心としたムラ社会で起こったことの影響が、様々な歴史を経て今に至ること自体、人間の価値観とはいかに変わらないものなのか、という感慨を抱くのが本書の感想の第一点。その閉鎖的なムラ社会で形成された価値観が、様々な宗教が入ってきてもそれをすぐに世俗化してしまい、宗教的な摩擦をあまり生まないという結果も皮肉である。
著者がいうように、無宗教ということにことさら誇りももたないし、別に恥じることもないが、それが国際的にはあまり通じないということは自覚する必要がある。その価値観を説明するために”無”というものが何なのか、そのことぐらいは本書からピックアップして覚えておくといいとは思う。

初版2009/01 角川グループパブリッシング/新書

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