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2009.01.15

書評<テロの経済学>

「テロを根絶するには貧困をなくすことが根本的な解決策である」。いわゆるリベラル方面だけではなく、ごく一般論として通じる無難な言葉である。しかしながら9.11同時多発テロの首謀者とされるビン・ラディンは裕福な家庭の生まれで高等教育を受けていたことはよく知られた事実だ。彼だけでなく、統計をとるとテロ実行犯の素顔は高等教育を受けた者が多い。このように、イメージが先行しがちな政治的テロについて、統計をもとに正確な分析を試みているのが本書である。そして、テロがコストやリスクに引き合うのかの結論を一応出す。

一般的なイメージだけで語るのではなく、統計に基づいたデータ分析を行うことに異議はない。
しかしながら、本書のテロの定義はあくまで「政治目的」ありきであり、主犯格は高等教育を受けたものであろうが、実行犯はどうなのか?アフリカのこども兵に見られるように、基礎教育を受けることなく”ほぼ戦場”に放り込まれたとしたら?チェチェンにように、復讐という感情は裏にあるとしたら?そこらへんには疑問の余地があると思う。
本書はそこらへんを割り引いて読む必要があるだろう。

初版2008/08 東洋経済新報社/ハードカバー

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