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2009.02.25

書評<ハチはなぜ大量死したのか>

近年、アメリカやヨーロッパで蜂群崩壊症候群(CCD)と呼ばれるセイヨウミツバチの集団死がたてつづけに発生し、北半球から1/4のミツバチが消える事態となっている。それは何も蜂蜜だけの問題ではなく、ミツバチに受粉を頼っている多くの植物群の崩壊も意味する。本書はミツバチの行動パターン、それに生殖活動を託す被子植物との相関関係に触れた後、CCDの発生の原因を探っていく。

以前、自然環境をまったく無視した北朝鮮の計画的な農業をせせら笑ったものだが(案の定、大飢饉に発展)、結局のところ資本主義もまったく同じようなことをしていることに愕然とする。単一作物を大量に栽培するためにミツバチを労働単位に組み込み、自然状態ではありえないような生活パターンや移動を繰り返す。農薬や寄生ダニなど、直接的な原因は数あれど、数億年かけて進化し、共生してきた関係を突然崩していることに著者は言及する。自分は過剰な環境保護主義者ではないが、自分たちの消費社会がいかに危ういか、あらためて考えなければならないとは感じざるをえない。
扱うテーマは固いが学術的な記述ではなく、養蜂家へのインタビューやミツバチを擬人化してその高度な社会行動を紹介するなど、サクサクと読み進めるので興味がある方はぜひどうぞ。

初版2009/01 文藝春秋/ハードカバー

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