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2009.02.28

書評<銃に恋して―武装するアメリカ市民>

いうまでもなく、アメリカは銃社会である。それは大学その他で乱射事件が起こって多数の犠牲者が出ても、結局変わらない。銃で武装するアメリカ市民のロジックはどこから来ているのか?銃を規制する法案が時限立法ぐらいでしか通らないのはなぜか?実際に銃はどのくらい手に入りやすいのか?アメリカ在住の著者が、実際のインタビューやガンショーを取材した経験を交え、一般の日本人とは異なる武器の価値観を解説する。


アメリカの銃規制の問題は、日本人留学生の殺害事件や数々の乱射事件の報道を通して日本にもよく知られるようになっている。だが、本書を含めて視点はおよそリベラル的であり、「銃を持つこと」の本質にせまってはいない。ミリオタとして、類似書を含めてあまり語られないことをいくつか指摘したい。
まず、「銃」の持つ本質的な魅力。機能美溢れる銃自体がある種の人々を引きつける。「人間を殺傷する」という実用的なことだけのために銃を持つのではない。本書では「コレクター」の存在を軽く流してしまっているが、その存在が「銃」自体の魅力を証明している。さらに、射撃はとてつもない集中力を必要とする”スポーツ”でもある。
次にアメリカの自然環境。東北や北海道の山奥にでも行かないと猛禽に出会わない、狭い島国とはまったく環境が違う。
最後にハンドガンとライフルの違い。本書でも少し触れられているが、同じ銃でも、コンシールド(隠し持つ)ことができるハンドガンとライフルはまったく別の存在である(威力や射程はいうまでもない)。

いわゆる”独立戦争”を経験することもなく、”国家に対する反感”はあっても”支配される”ことへの恐怖が希薄なこの国の価値観では、武器を語ること自体が軽くなってしまうのかも知れない。書評にもならないが、そんな個人的な結論である。

初版2009/02 集英社/集英社新書

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