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2009.03.17

書評<アメリカは今日もステロイドを打つ>

アメリカ在住のコラムニスト、町山智浩氏によるスポーツ関係のコラムをまとめたもの。プロスポーツでの高額所得者はアメリカンドリームの象徴の1つだが、それゆえに学生時代からのステロイドの使用や、親のエゴ溢れる”プロ選手の育成”など、いびつさが目立つようになっているアメリカのスポーツ界の現状を紹介している。

高額な報酬、競技人口の底辺の厚さ(それゆえの競争によるレベルの向上)、観客のプロスポーツや大学スポーツへの思い入れの熱さなど、日本ではアメリカン・スポーツの良い面しかあまり報道されないが、そこにはスキャンダルも数多い。
これにはアメリカン・スポーツならでは特徴もある。ベースボール、アメフト、アイスホッケーはいずれも華麗さよりは屈強さが求められ、データによりはっきりと個人の結果が現れる。筋肉増強剤を求めるゆえんであろう。また教育に対する自由も、”スポーツしか選択肢がない子供のまま、青年になった大人”を生む土壌となる。日本にももちろんスポーツに関するスキャンダルはあるが、これでは”スキャンダルのレベル高さが違う”のは当然であろう。何事に関してもアメリカはリスクのレベルが違いすぎる、とつくづく感じさせるコラム集だ。

初版2009/02 集英社/ソフトカバー

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