書評<俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈3〉>
成績優秀・運動神経抜群、さらに容姿はギャル系雑誌の読者モデルをつとめるくらいに端麗という完璧超人のオレの妹。だが、その隠れた趣味はアニメ鑑賞とエロゲーであった。その妹が、ケータイ小説とやらを書き始めたらしい。それが思わぬトラブルを招くわけだが・・・・。
自分はこのシリーズ、”オタク業界の周辺地図”紹介のライトノベルと思っているのだが、第3弾の部隊は創作と出版の現場。いわゆるケータイ小説と同人2次創作をメインに据えて、それぞれの特徴や”売り物になるのはどんなものか”を登場人物たちに代弁させている。結論としては、オタクたちが忌み嫌うスイーツ(笑)たちが読むケータイ小説も、同人誌も同じくらい”イタイ”ってとこですかね。お互いの感性が理解できないんだから、安易な批判だけやってればいいってものでもない、とは確かに思うところ。本作に出てくる架空の出版社の編集さんはケータイ小説とライトノベルのどちらも担当という設定なわけだけど、それが一番スゴイと思う。自分に合わない文章を読むほど苦痛なことはないわけで、やっぱり読書と書評は自分の趣味の範囲にしておくべきだと痛感。そんな斜め上の読後感でした。
初版2008/04 電撃文庫/メディア・ファクトリー
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