書評<ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-1バルキリー>
「歌と美少女とSFを等価に描いたアニメ」であるマクロスシリーズであるが、VF-1バルキリーの存在がなければ、現在までシリーズが連綿と続くことはなかったと断言できる。そのくらいに衝撃的なメカであった。
本書はそのバルキリーが実在してしていたとしたら、との設定でバルキリーを解説している”設定お遊び本”である。”お遊び”とはいえその歴史、技術的特徴はいうに及ばず、実戦を生き抜いた機体の取材やパイロットのインタビューを掲載するなど、徹頭徹尾「世界の傑作機」に類する専門誌の体裁にこだわっている。
マクロスシリーズに関してはガンダムほど”正史”にこだわっていないので、「え、そうだったの?」的な記述も多い(オレが知らないだけかも)。それもまた楽しめる人のための本だ。
おしむらくは記述はほぼ大気圏内の記述に限られているため、ストライクバルキリーなど宇宙戦装備は登場しない。ここは<大気圏外運用編>の出版も期待したいところだ。
初版2009/07 ソフトバンク・パブリッシング/大型本
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