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2009.08.27

書評<ウェブはバカと暇人のもの>

ウェブが専門家の手を離れ、一般にも浸透する現在までの間、何度かウェブが社会改革の起爆剤となり、経済においても新たな流通と広告の手段として主流になるとの主張がなされてきた。だが実態は違った。場合によっては人間の悪意に満ち溢れた空間となり、経済においても大企業が期待するような広告効果はない。庶民にまで広がったウェブの現在を検証し、一部識者が唱える「ウェブ至高論」に反論する。

書評というか、個人的なウェブへの思いを書く。
ウェブとは結局のところ、コミュニケーションと情報通信の手段に過ぎない。テレビやマスコミと違うのは、自ら情報を求める能動的な手段であることである。なので実生活で自分が特定の興味があることがなければ、ただ単に、テレビを見る前にほんの少し情報を早く得られるだけのことである。そしてそれが双方向になったとしても、たいていは庶民がテレビに向けてつぶやく、つまらない感想が溢れ出るだけである。これが一般庶民にまで広がったウェブ空間の現実であることは、著者にまったく同意である。著者は「ネット敗北宣言」をしているが、能動的に情報を求め、それに関してコミュニケーションを取ろうとする分野がなければ、情報を垂れ流すマスコミに勝てるわけがないのだ。トピックを適当にクリックする、暇人とバカの遊び道具になり果てる。ここに、大企業が期待するだけの広告効果はないこともまた明らかである。

だがそれでも、ウェブは「暇人」によって支えられていると思う(バカはこの際は除外)。ネットには膨大な情報が溢れているが、それは自然に積み上がるものではない。暇人たちが無償で、様々な動機をもってそこに情報を集積するからこそ、検索機能が生きるのだ。自分を含めて、暇人たちに感謝を言いたい。

初版2009/04 光文社/光文社新書

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