書評<フットボールの犬―欧羅巴1999‐2009>
マイナーなフットボールの現場が大好きな著者が、リーガ・エスパニョーラあるいはプレミアリーグといった華やかな舞台の影で連綿と続く”フットボール・ライフ”を訪ねてまわるコラム集。書き下ろしではないが様々な国の様々な表情を捉えた、著者のフットボール・コラムの集大成といえるものである。
スコットランドやアイルランドといった多少はメジャーな場所から、バルト3国やフェロー諸島、あるいはマルタ島など、ただでさえ日本から地理的に遠く、その土地がどんなところか分からない場所まで、フットボールあるところに著者は現れる。その土地で行われているフットボールを見ればその国の国情が色濃く反映されている。少ないスタジアムを共有するリーグ。宗教の壁から、国境を越えて他のサッカー協会に加盟するクラブ。そして著者が訪問する街は小さいがゆえに、思わぬ邂逅も会ったりする。まさに旅とフットボールの楽しみがつまった一冊である。
初版2009/11 東邦出版/ソフトカバー
« 書評<テスタメント・シュピーゲル1> | Main | 書評<プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステリー > »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 書評<ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く>(2022.08.28)
- 書評<バルサ・コンプレックス “ドリームチーム”&”FCメッシ”までの栄光と凋落>(2022.05.25)
- 書評<冷蔵と人間の歴史>(2022.05.24)
- 書評<ザ・コーポレーション>(2022.05.23)
- 書評<狩りの思考法>(2022.04.19)
TrackBack
Listed below are links to weblogs that reference 書評<フットボールの犬―欧羅巴1999‐2009>:
» [サッカー][本]『フットボールの犬―欧羅巴1999‐2009』(宇都宮徹壱/東邦出版) [昨日の風はどんなのだっけ?]
書評<フットボールの犬―欧羅巴1999‐2009>: ミリタリーマニアの生きる道 連載でも読んだけど、マルタとかフェロー取材したサッカージャーナリストというのは、今後の大きな武器ですね。連載時に読んでいたので感想改めて書かなかったんですが、持っています報告です(笑... [Read More]
« 書評<テスタメント・シュピーゲル1> | Main | 書評<プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステリー > »
Comments