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2009.12.11

書評<湾岸MAX SPEED RUNNER>

首都高湾岸線はチューニングカーの”最高速トライアル”の舞台として、つとに有名である。本書は「ミソジーズ」という湾岸のベテランが集まるチームを中心にすえ、GT-R、スープラ、フェアレディZをはじめとした国産車やポルシェのチューニングカーと、そのオーナーたちの最高速とクルマにかける思いを特集したものである。

自分を含めた一部の人々はなぜ、チューニングカーに魅かれるんだろう、と考える。90年代前半に確かにGT-Rをはじめとした国産車が公道ナンバーワンだった時期があったが、今やセレブ向けのスペシャルカーの方が速いだろうし、時代がガソリンを撒き散らすハイパワー車を許さない。その証拠に、本書に登場するクルマたちはBNR34で時代が止まっている。だが、彼らはまだ現役で走り、まだチューニングも進化の途中だ。湾岸を走る当事者たちは永遠に未完成かも知れない改造車に手をかける愛情、世話になったチームの看板を守る意志、違法性とスピードという麻薬にハマる。自分のような当事者でない傍観者は、そのアツさにあてられる。
本書では、生々しい事故の様子も逃げることなく語られる。それも含めて、体温が上がるムックである。

初版2009/12 東京三世社/ムック

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