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2010.01.05

書評<偉大なるマントーバ>

サッカーにまつわる寓話、つまりフィクションの短編を6編集めたもの。スポーツライターである著者が、オーソドックスなスポーツノンフィクションあるいはインタビュー形式と様々な文体でサッカーに纏わる物語を創作している。
とはいえ、それぞれの短編は下敷きがある。例えば第1章「リベロ」は、おそらくは2006年のドイツ・ワールドカップにおいて、主人公のようなリベロがいればよかった、という著者の願望であり、第2章「大戦術家の訓話」はオシム前日本代表監督はじめとした世界の有名ディレクターたちの残した言葉をそれっぽくまとめたものである。
はっきりいうと、「もしオレがスポーツライターだったら」という夢想を抱くライター志望の人間なら書けそうな文章ばかりなのだが、経験だったり見聞だったりにキャリアの違いが見え隠れし、そこがライターを生業にする人間とシロウトを分ける境界線だったりすると思う次第。プロになるのも、なかなか難しいものです。

初版2009/08 東邦出版/ソフトカバー

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