書評<天冥の標 2 救世群>
西暦201X年、ミクロネシアのパラオで未知のウイルスによるパンデミックが発生する。「冥王班」と呼ばれるそれは、驚異的な致死率と感染力で世界を恐怖に陥れ、さらに「冥王班」の生存者がウイルスを保菌したままであるその特性から、人類の運命を変えていくこととなる。
10編に及ぶ大長編と予告されている「天冥の標」シリーズ第二作。本作はSFというよりはシュミレーションに近く、未知の感染症に対する医療関係者や各国政府の対応などを現在の延長線上で予測する。よって、本作だけ読んでもウイルス・パニックの恐怖をまざまざと感じることができる。もちろん、第一作につながる固有名詞もいろいろと出てくるが、まだまだ底は見えない。以下、ネタバレありで個人的に今後を予測。
本作では冥王班ウイルスの保菌者が隔離されるところまで描かれているが、このウイルスが人類を二分することになる。ウイルス保菌者は最終的にスペースコロニーへと隔離されることとなり、やがてガンダムでいうところのスペースノイドとアースノイドの対立へ至り、戦争に突入。負けた方が植民と称して宇宙の果てへ旅立つことになる・・・・こんなとこでどうでしょ?浅いわな、やっぱり。
初版2010/03 早川書房/ハヤカワ文庫JA
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