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書評<ケルベロス 鋼鉄の猟犬>

ヒトラーが暗殺され、枢軸同盟が崩れたものの、第二次世界大戦に突入してしまった架空の世界。ドイツでは親衛隊はじめとしてナチス勢力は一掃された。だが、”独裁者の玩具”と呼ばれながらも、大衆の熱狂的な支持ゆえに存続を認められた師団があった。犬にも似たアーマーを装面・装着する<装甲猟兵>である。
一方、国防軍はワイマール体制のもとでその指揮権を取り戻しており、東部戦線で泥沼にはまりながらも、起死回生の撤退作戦をスターリングラードで敢行しようとする。<装甲猟兵>は忌むべき部隊として、その地獄で最後の役割を与えられた。

押井守のライフワークである<ケルベロス・サーガ>の原点としてラジオドラマで放送されたエピソードをノベル化。後に首都警に導入されるプロテクト・ギアを使う部隊の最期を、カメラを抱えた広報部隊の女性監督の目を通して描く。
前作<ASSAULT GIRLS>では、フツーのラノベなみのあっさりとした文章だったが、本作では押井守のクドイ文章が健在。ワルシャワ、ハリコフ、スターリングラードと東部戦線の要衝地を巡りながら、兵器と戦争と映画についてのウンチクを語るのが文章のメインで、<装甲猟兵>の物語はいっそオマケみたいなもの。装甲列車、巨大な列車砲といった異端の兵器、また電撃戦や市街戦の戦術を主人公たちが延々と語る。それでもって最期はメロドラマ。まあいつものパターンですね。信者の方は購入必須、それ以外の方は非推奨ということで。

初版2010/02 幻冬舎/ソフトカバー

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