書評<テストパイロット インジャパン>
航空自衛隊の各務ヶ原ABは飛行開発実験団の本拠地である。新規採用の航空機あるいは装備機材の試験、あるいメーカーから出荷されたそれらの受領試験などを任務とし、そのために様々な航空機が所属している。そしてそこは空自のテストパイロットたちの巣でもある。常に未知の領域に踏み込むことを日常とする彼らを、印象的な写真とともに紹介する。
軍事関係のフィクションも多く手がける鳴海章が、TACネーム”カービー”のインタビューを中心にし、飛行開発実験団の装備や役割の特殊性、あるいはテストパイロットという特殊なパイロットたちの日常を紹介してる。とはいえ、いわゆる”フォトブック”的な形態であり、専門的な記述は少なく、むしろ著者のエッセイ的な部分もあることから、雰囲気重視であることは否めない。飛行開発実験団という特殊性から、”防秘”の壁も厚いだろうが、もう少し具体的な記述が欲しいものだ。そのスジの人には”イカロス出版ぽい”といえば雰囲気が分かってもらえますかね。
初版2010/02 枻出版社/ソフトカバー
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