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2010.04.05

書評<「ジャパン」はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理>


数年前、「マネーボール」という本がベストセラーとなった。メジャーリーグ・ベースボールにおいて膨大に蓄積されるデータを分析し、それを選手のドラフトやトレードに活用してチームを構成し、プレーにもデータ分析を生かすことにより、低予算で最大限の成績を上げることに成功したプロ・チームを描いたノンフィクションである。
だが、それをサッカーに全面的に応用できないと思っていた。サッカーにデータなるものは少ない。例えばテレビ中継中に示されるのはフリーキックやシュート数、親切なとこでボール支配率くらいなもの。だが、シュートといっても見る人によって判断が違うし、ボール支配率が直接勝敗に関係ないこともしばしばである。
だが、時代が変わったようだ。本書は主にデータ解析会社やネットに蓄積されたデータをもとに、サッカーの”常識”を覆す。PKは本当に不公平なルールなのか?オーナーたちはなぜ移籍市場で失敗するのか?といったクラブチームに関わるものから、サポーターの行動に至るまで、サッカーにまつわる常識を、統計学によって覆す。

ただ、本書は主にイングランド向けの本であり、タイトルに反して”ジャパン”に関する章は先頭の2章のみであり、構成としてはやや不自然だ。そこを割り引いても、サッカーの意外な事実を知ることができる。停滞する日本代表の唯一シンプルな解決方法も。

初版2010/03 日本放送出版協会/ハードカバー

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