書評<ゴールデンタイム〈1〉春にしてブラックアウト >
晴れて東京の大学に入学し、一人暮らしも始めて浮き足立つ一般ピープル、多田万里。だが、彼は見た目パーフェクト、完璧なお嬢様の加賀香子に出会ってしまった。プライドが高く、思い込みが激しい彼女だが、それはどこか危うく、自分のことに興味がないと知りながら、万里は香子に魅かれていく。
「とらドラ!」で一躍、人気作家となった著者期待の最新作。意外なことに舞台は大学であり、ラノベも成熟期に入って、読者年齢層が上がっていることを想定しているのか、あるいはアスキーの他ブランド移籍への布石かとか、いろいろ勘ぐってしまうが、軽快なテンポで進むラブコメであることには変わりない。
物語自体はほぼ導入部と言ってよく、登場人物の掘り下げも主人公とヒロイン以外はまったく進まず、連載が進まないことにはシナリオ自体は評価しにくい。今後の展開に期待である。
初版2010/09 アスキーメディアワークス/電撃文庫
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