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書評<最底辺の10億人 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?>

20世紀末から、いわゆるBRICs諸国をはじめとして発展途上国といわれた国々が発展を遂げる一方、アフリカのサハラ諸国を代表に、10億人の人たちが最底辺の生活を強いられている。特にアフリカ大陸は、どの国も大きな問題を抱える。本書は主に経済の観点から、これらの国々がなぜ成長から取り残されているのかを分析する。それは、内陸国の罠、紛争の罠、天然資源の罠、ガバナンスの罠である。これらにとらわれている限り、最底辺を脱出することは不可能に近い。では、先進国のなすべきことは援助だけなのか?本書は積極的な介入も含めて、国際社会が為すべきことを提案する。

スポーツにしろ、経済にしろ、何度も「これからはアフリカの時代だ」という論調が聞こえてきたが、その時代はいっこうにこない。それどころか、グローバル化に伴い、貧富の差は固定しかけているように感じる。近年は天然資源の高騰により、豊かさを得るチャンスがあるのにも関わらず、である。本書はそうした疑問にある程度応えてくれる。そして、先進国のこれまでの援助や介入の失敗の原因がどこにあったかを分析し、先進国が為すべきことを提言するわけだが、少なくともミリオタ的知識が生かせる紛争介入については難しいだろう、といわざるをえない。”世界の警察”、アメリカは息も絶え絶えで、世論はアフリカなんぞに兵士の派遣と犠牲など許すまい。ヨーロッパの軍は一応”多様な事態に早急に対応できる、緊急展開・多目的派遣軍”への脱皮を目指してはいるが、アメリカ抜きでは戦争などできそうもないことをバルカン半島で証明してしまった。中国が表でも裏でも派手に活動するわけである。
本書で100%合意できるのは、アジアからの輸出に対し、保護政策をとるということ。衣料とか樹脂製品とか、軽工業製品を中国に輸出しまくられては、工業化など絶対ムリだろう。ブブセラみたいな民芸品くらいは、同じ大陸で生産できないもんかね。

初版2008/06 日経BP社/ハードカバー

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