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2010.11.18

書評<ヘンテコピープルUSA>

アメリカは広い。そして自由の国であるこの国には、様々な少数派の人たちがいる。UFOマニア、ポルノ俳優、集団自殺したカルトからの生還者、自分の可愛い双子の娘にヘイト・ソングを唄わせる人種差別主義者などなど。著者はBBCのドキュメンタリー番組のインタビュアーであり、過去に彼の番組で取材した少数派の人たちに再開する旅に出る。

基本的には、”皮肉屋のイギリス人”から見たアメリカ人がどう映るかが主題のエッセイである。著者が出会う人たちは、商売として怪しいサークルに関わっている人も一部にはいるものの、多くは筋金入りの信念を持つ人たちで、すでに”若気の至り”ではすまない年齢になっている。彼らは変わらず彼らのままなのか?それとも、更生しているのか?「再会」というテーマが、ただの”ヘンテコピープル”紹介に終わらないエッセイにしており、他の類似本に比べて考えさせられるところが多い本である。
個人的には、アメリカとキリスト教との関わりを論じた本を読んだ直後だったため、彼ら”ヘンテコ・ピープル”の思想とキリスト教とのかかわりの深さが興味深かった。人間の価値観の根本に関わる宗教と結びついているのだから、彼らの価値観が簡単に変わるわけがない。日本にもUFOビリーバーやレイシストはいるだろう。だが、彼らに比べればそれはほんのお遊びに過ぎない。そんなことを感じたエッセイであった。


初版2010/10 中央公論新社/ソフトカバー

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