書評<ゲート3>
銀座に突如開かれた異世界の門が開かれた後、幾多の戦闘と交渉を経て、ようやく日本政府と帝国の和平が実現するかにみえたが、帝国の政変により、それが遠のいていく。そればかりか、帝国の穏健派と日本政府代表団が帝国領土に軟禁されることとなる。事態を重くみた日本政府は、空挺降下を発端とした大規模な救出作戦を敢行する。
「ファンタジー世界で自衛隊はいかに戦うか」シリーズ第3弾。本書では影で暗躍する一人の女とその配下の工作により、混乱が増した世界が描かれる。本作のキモはやはり空挺降下と救出作戦だろうが、外交的な駆け引きもまた読みどころだ。これまではいろんな偶然が重なって、異世界で好感度100%だった自衛隊だが、それを貶める敵国のゲリラ活動やマスコミ報道が展開され始め、苦難の道がはじまるフラグも立っており、ますます物語のスケールが大きくなる予感のする第3作である。
しかしねえ、ネット初の物語がリアル書店で注目作品として平積みされるとはねえ・・・電子書籍などなど出版業界も微妙な局面に入っているが、現実は容赦なく融合が進んでいるねえ。
初版2010/12 アルファポリス/ソフトカバー
« 書評<サッカー 最強の戦略・戦術論> | Main | 書評<過激派で読む世界地図> »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 書評<ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く>(2022.08.28)
- 書評<バルサ・コンプレックス “ドリームチーム”&”FCメッシ”までの栄光と凋落>(2022.05.25)
- 書評<冷蔵と人間の歴史>(2022.05.24)
- 書評<ザ・コーポレーション>(2022.05.23)
- 書評<狩りの思考法>(2022.04.19)
The comments to this entry are closed.
Comments